一般に、地震の揺れは震源から遠くに伝わるほどに減衰して弱くなります。しかし、深い場所で 発生する地震(深発地震)では、震源に近い場所よりも遠く離れた場所の方が強く揺れる場合があ り、この現象を「異常震域」と呼びます。 海洋プレートが大陸側に深く沈み込んでいる日本周辺では、深発地震の場合、震源に近い側の地 表に到達する地震波は、地震波が減衰しやすい領域(図1の黄色の領域)を通る一方、太平洋側の地 表に到達する地震波は、地震波が減衰しにくい海洋プレートを通ります。その結果、震源から遠く 離れた太平洋側で震度が大きくなります(図1、図2) 。 特徴的な震度分布のため「異常震域」と呼ばれますが、発生した地震自体が異常というわけでは ありません。なお、異常震域を生じるような深発地震でも、地震の規模が大きくなれば強い揺れに よる被害を生じることがあります。 【防災メモ】 ~異常震域~ 揺れが弱まりやす