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ブックマーク / synodos.livedoor.biz (28)

  • SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(中) 菅原晃

    2010/10/97:0 人口減少デフレ論の問題点(中) 菅原晃 藻谷浩介 『デフレの正体』角川oneテーマ21については、日経済新聞(H22.9.26)にて、「著者が…目と耳で確かめた変化を人口変動を介して説明する手法は、説得力がある。…統計数値の虚心坦懐な分析がそのリスクを弱める」と書評されました。 前回(http://synodos.livedoor.biz/archives/1551101.html)につづいて、統計数値の扱い方について検証します。 まずは『デフレの正体』からの引用をお読みください。 「…日は…韓国台湾からも07年、08年と続けてそれぞれ3兆円前後の貿易黒字をいただいて…稼いだ貿易黒字の合計は、00年に比べれば2倍以上に膨らんでいて」「ハイテク分野では日にかないっこないフランスやイタリアが…ブランドの料品と繊維と皮革工芸品を作ることで、日から貿易黒字を稼

  • SYNODOS JOURNAL : 人口減少デフレ論の問題点(上) 菅原晃

    2010/10/87:0 人口減少デフレ論の問題点(上) 菅原晃 藻谷浩介 『デフレの正体』角川oneテーマ21は、日経済新聞(H22.9.26)にて、「著者が…目と耳で確かめた変化を人口変動を介して説明する手法は、説得力がある。…統計数値の虚心坦懐な分析がそのリスクを弱める」と書評されました。 統計数値をどのように扱えば適切なのか、経済学的見地から検証しましょう。『デフレの正体』では、貿易黒字について、つぎのように書かれています。 「世界中から莫大な金利配当を稼ぐ日…そんなに稼いでいるという黒字」「01−08年の8年間だけで累計138兆円もの経常収支黒字が日に流れ込みました」「…実際にそれだけの額を貢いだ外国にしてみれば、『俺たちからそれだけ儲けて、不況だなんてよく言うよ』という思いかも」「日はどの国から儲けてどの国に貢いでいるかを確認している人は非常に少ない」「…日は…韓国

  • SYNODOS JOURNAL : 長妻厚労相更迭が突きつけるリアリティー 鈴木亘

    2010/10/77:0 長厚労相更迭が突きつけるリアリティー 鈴木亘 9月末の菅内閣改造人事によって、長昭厚労大臣が事実上、更迭された。すでに、各種のマスコミによって、長氏更迭の理由やその是非、厚労大臣としての仕事の功罪など、さまざまな議論が行われているところであるが、わたしは長氏更迭の背景は、じつにシンプルであると思う。一言でいえば、厚労省の官僚、とくに厚労省の幹部たちとの政治力勝負に長氏が負けたということである。情報戦・マスコミ操作力においても、与野党政治家や業界への根回しにおいても、人海戦術的マンパワーにおいても、すべてにおいて厚労官僚に力負けし、長氏は土俵から寄り切られたのである。ついでに、長氏同様に国民の期待の大きかった山井、足立両政務官もうっちゃられてしまった。 もちろん今夏以降、参院選挙、民主党代表選が矢継ぎ早に行われるなかで、多忙を極める閣僚たちの政治主導力

  • SYNODOS JOURNAL : 「カネで辞めてもらう」制度が、日本と若者を浮上させる 飯田泰之

    2010/10/47:0 「カネで辞めてもらう」制度が、日と若者を浮上させる 飯田泰之 ―― 前回の「大切なのは『結果の平等』」は、大変話題を呼びました。引き続き、大胆かつクリアなお話をよろしくお願い致します。さて、先のお話は、「経済成長は労働力、資技術で決まる」と総括したうえで、論争のための議論を止めて、打てる手はすべて打つべき、という〆でした。 飯田 長期的な経済成長を高める方法には、人口が増える、資が増える、技術が上がる……この3つしかありません。ご存じの通り人口は減っているのですが。これは10年や20年でどうにかなる問題ではないですから、まずはこの際おいておきましょう。 では、資はどうでしょう? ちなみに、経済学者が「資」と言ったときは会計上の資ではなく、生産設備のことだと思ってください。かつては国内の貯蓄が、国内の金融機関や証券市場を通じ、国内の企業に融資され、国内

  • SYNODOS JOURNAL : ロシアとイスラエルの軍事協力〜背景と影響 廣瀬陽子

    2010/9/150:0 ロシアとイスラエルの軍事協力〜背景と影響 廣瀬陽子 ロシアのセルジュコフ国防相とイスラエルのバラク国防相は、2010年9月6日、長期的な軍事協力に関する枠組み合意文書に調印した。この文書の詳細は明らかにされていないが、今後の両国の軍事技術の協力や契約の基盤となっていくとされており、バラク国防相と会談したロシアのプーチン首相も航空機、レーザー技術や衛星など、多くの分野での協力の可能性があることを述べている。そして、手始めに、ロシアはイスラエルから12機の無人機を購入したと報じられている。 なお、イスラエルとロシアの軍事協力は、90年代から若干はあった。たとえば、インドなど第三国向けの航空機の共同開発などはなされてきたというが、今回のような深い協力関係の構築は、ロシアのこれまでの軍事政策に鑑みて異例であり、また、これまでの外交枠組みにも大きな影響をもたらしかねない性格

  • SYNODOS Blog : 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士

    2010/8/180:0 少子高齢化は経済にどのような影響を及ぼすのか 片岡剛士 先日公表された2010年4−6月期GDP一次速報値からも明らかなように、我が国の景気動向は芳しいとはいえない状況だ。1990年代以降の長期停滞は「失われた20年」ともいわれるが、この現象に少子高齢化がどのような影響を与えたのだろうか。また、少子高齢化は日経済の今後にどのような影響を及ぼすのだろうか。まず少子高齢化について整理しよう。少子高齢化とは「少子化」と「高齢化」の同時進行を意味している。少子化とは人口に占める年少人口(0〜14歳人口)の割合が低下することを意味し、出生率の低下がつづくことが影響する。 高齢化とは人口に占める老年人口(65歳以上人口)の割合が上昇することだ。そして「少子化」と「高齢化」は独立した概念ではなく、定義から少子化が進めば高齢化も進む。経済成長に関していえば、総人口に占める生産年

  • SYNODOS Blog : 【書評】浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代『伝説の教授に学べ!本当の経済学がわかる本』 片岡剛士

    2010/07/2700:00 【書評】浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代『伝説の教授に学べ!当の経済学がわかる』 片岡剛士 伝説の教授に学べ! 当の経済学がわかる  著者:浜田 宏一 販売元:東洋経済新報社 発売日:2010-06-25 おすすめ度: クチコミを見る 浜田氏の名前を知らない経済学徒は「もぐり」である。 1936年に生を受けた浜田氏は、東京大学法学部で学んだあと、経済学部で経済学を学び、東京大学修士課程、そして米国イェール大学にてジェームズ・トービン教授(1981年ノーベル経済学賞受賞)に師事した。その後、国際金融論の分野で世界的な業績をあげられているのは周知のとおりだ。 このような世界的業績を有する浜田氏が、なぜ書を刊行することになったのか? それは我が国の停滞がデフレを伴いつつ長期に渡り、そしてこの長期停滞によって社会の弱い立場に立つ人びとが苦しめられてい

  • SYNODOS Blog : 日銀総裁と経済パフォーマンス 片岡剛士 

    2010/07/1100:05 日銀総裁と経済パフォーマンス 片岡剛士  08年9月のリーマン・ショックから2年余りが経過した現在、日経済は緩やかながら回復の道を歩んでいる。政府の月例経済報告(平成22年6月18日)では、「景気は、着実に持ち直してきており、自律的回復の基盤が整いつつあるが、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」と述べられている。 デフレからの脱却にもっとも大きな影響を及ぼすのは、中央銀行(日銀行)の金融政策である。 では、デフレに陥った時期の金融政策と実体経済の動向はどのようなものであったのか。政策変更に敏感に反応する株価の動きと、政策効果が遅れて影響する実体経済の状況を示す失業率、そして物価動向を検討しつつ考えてみたい。 ◇デフレ下の日銀総裁の経済パフォーマンス◇ 91年以降のバブル崩壊の影響で先送りされた、金融機関の不良債権問題が金融危機として