中間選挙まで1年を切った米国のバイデン民主党政権が、内外政策での実績づくりに躍起となっている。自ら得意とする外交面では、世界を混乱に陥れたトランプ前政権との違いを浮き彫りにし、アメリカの威信回復ぶりをアピールすべく焦りさえあらわにしている。 「各国首脳との対面でのきわめて生産的な会談を通じ、アメリカン・パワーの真骨頂がいかんなく発揮された」――。バイデン大統領は先月末、ローマで開催された主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)終了後の記者会見でこう胸を張って見せた。 しかし、今年1月の政権発足から最近に至るまでの外交姿勢は、順風満帆とは程遠く、波乱含みのものだった。 拙速だったアフガン撤退とAUKUS 際立ったのが、唐突なアフガニスタンからの米軍完全撤収、米英豪3カ国安保協力の枠組み「オーカス(AUKUS)」創設の二つだ。 まず、アフガン撤収(7~8月)については、ひと月前の6月11~