野田政権発足とともに着工されて、国会で論戦になった朝霞の公務員宿舎問題であるが、3日に野田佳彦首相が現地を視察し、「5年間凍結」という結論になった。 4日の本コラムで書いたように、朝霞宿舎も、わざわざ朝霞の森を切り倒して建設するのではなく、埼玉県の別の公務員宿舎を民間に売却したうえで民間建設の建物で公務員宿舎を借り上げればいい。そもそも、公務員宿舎は先進国ではまずない。公務員宿舎は原則廃止が世界標準だ。 しかし、野田首相は小手先のパフォーマンスをしただけに終わった。安住淳財務相は4日の閣議後会見で「中止もあり得る」と述べたが、本来ならば、巨額の復興財源が求められる中で、公務員宿舎の建設計画は即座に中止し、出来る限り国有財産を売却して、復興財源にあてるのが筋だ。今回の結論は単に先送りしただけにすぎない。 今回の「凍結」とともに、「都心3区の公務員宿舎は、危機管理用を除いて、すべて廃止」