★ディビット・カプラン+アレック・デュプロ共著「ヤクザ」 第三章、手をつなぐ右翼-黒幕時代到来 111-112頁より 岸信介が権力を持つに至った本来の基盤は日本の傀儡政権満州国にあった。なかには彼のことを「満州国の統治者」と呼ぶ者もいた。満州国の「発展」を支援するために満州国にやってきた右翼やヤクザの助けを借りて、岸は当地に事務所を構えていた。満州を離れた後は、東条軍部内閣の商工大臣そして国務省兼軍需省の次官を務めた。 岸は米当局によってA級戦犯として捕らえられたが、奇妙なことに1948年12月23日に釈放された児玉や他の戦犯と一緒に拘置所を出た。その後、岸は世界でも稀な政界への復帰を果たした。 1952年に公職追放が解除されるや、岸は政界に入った。政府内の主な右翼と同盟を結び、抜け目ない一連の行動で岸はすぐに中央の舞台へと進んだ。1955年には自民党幹事長、さらに進んで吉田の後継