円安が進み、1ドル156円台を示す証券会社の街頭モニター=東京都中央区で2024年4月26日午後1時10分、三浦研吾撮影 景気の長期低迷による「失われた30年」から抜け出せるかどうかの正念場だ。経済の活力を取り戻すには、国や企業が過去の失敗を真摯(しんし)に反省し、人を重視した社会に転換する必要がある。 日銀は3月の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除に踏み切ったが、日本経済が「失われた30年」から脱却できるかはなお見通せていない。解除について説明する日銀の植田和男総裁=東京都中央区の日銀本店で2024年3月19日午後3時56分、渡部直樹撮影 円相場が約34年ぶりの安値水準に沈んでいる。日米の金利差が背景とされるが、日銀が17年ぶりに利上げしても、相場の流れは変わらなかった。春闘は2年連続で大幅な賃上げとなったが、物価高に追いつかない。家計は生活防衛を強いられ、「日本は貧しくなった」と