オープンソースのプロジェクトで採用されているCoC (Code of Conduct, 行動規範)を巡る議論が、一つの転換点を迎えているかもしれない。2025年9月、Rubyのエコシステムを支えるRubyGemsのガバナンスを巡る騒動が勃発し、コミュニティに大きな波紋を広げている最中であるが、これと直接的には関係がないもののこの混乱をきっかけにRuby on Railsの作者であるDavid Heinemeier Hansson(DHH)とオープンソースの元伝道師であるEric S. Raymond(ESR)という二人の有名人が、現代的なCoC、特に「Contributor Covenant」に対して痛烈な批判をX上で展開するという出来事があった。 DHHは、Contributor Covenantのような詳細かつ厳格なCoCを「トロイの木馬」と断じ、プロジェクトから排除すべきだと主張し、
