山菜採りシーズン本番を迎え、県内では今年もツキノワグマの被害が相次いでいる。人身被害は既に6件(5月27日現在)発生し、多発した昨年や一昨年と同様のペース。出没件数も高水準で推移しており、引き続き注意が必要だ。近年は「新世代グマ」と呼ばれる人を恐れないクマや、クマよけの鈴が効かないクマも出現しており、専門家は「従来のクマ対策の過信は禁物」と、入山自体を控えるよう警鐘を鳴らしている。 一関市真柴の川原登さん(70)は4月28日、住宅密集地の自宅から約500メートルの山林に山菜採りに出掛け、クマの巣穴を発見。のぞくとクマが顔を出し、10秒間ほど対峙(たいじ)した。その後右膝や左ふくらはぎに爪を立てられたり、長靴の上からかまれたりしたが、必死で抵抗するとクマは巣穴脇の沢に逃げた。 本年度の県内のクマ被害は、19人が重軽傷を負った昨年度と同様のペース。餌となるブナの実が2013、15年と豊作で栄養
【東京支社】衆院区割りを見直す公選法改正案を審議した31日の衆院政治倫理・公選法改正特別委で、自民党の藤原崇衆院議員(比例東北)、民進党の階猛衆院議員(岩手1区)が質問に立ち、本州最大となる新岩手2区は「広すぎる」と問題提起した。改正案は両党などの賛成で可決されたが、選挙区削減で議員との接点が薄れかねない地域の声をどう吸い上げるか、今後も議論になりそうだ。 改正案では本県の現3区を分割し、現2区と現4区に統合。新2区は県面積の63%、9652平方キロメートルと本州最大の選挙区になる。 同委で、総務省は新2区の区割りについて、東日本大震災や経済圏などを考慮し、沿岸部が一体となることが「合理的」との視点で検討されたと説明した。 藤原氏は1票の格差を「違憲状態」とする最高裁の判断に関し「2倍未満との命題を維持するには、パズルのように区割りを分割せざるを得ない」と有権者本位なのか課題認識を示した。
衆院小選挙区の区割り改定案を検討する衆院選挙区画定審議会(区割り審)は、複数の小選挙区にまたがっている盛岡市や鹿児島市の市域を整理する方針を固めた。関係者が12日、明らかにした。盛岡市で市町村合併前の旧盛岡市が現岩手1区、旧玉山村が現岩手2区に分かれているため、旧玉山村を岩手1区に編入したい考えだ。 旧玉山村は2006年に旧盛岡市と合併したが、合併後の盛岡市が二つの選挙区にまたがる「ねじれ」状態が続き、「市の一体感が阻害される」「有権者の混乱を招く」と解消を求める声が上がっていた。 区割り審は近く、小選挙区が1減対象の岩手や青森、三重、奈良、熊本、鹿児島の6県と、「1票の格差」を是正する13都道府県の計19都道府県約100選挙区の区割り改定案をまとめ、安倍晋三首相に勧告する。政府は勧告を踏まえた公選法改正案を5月にも国会提出し成立を図る。
【東京支社】今村雅弘復興相は6日の衆院東日本大震災復興特別委員会で、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内外への自主避難者を巡る自身の発言について「皆さまにご迷惑をお掛けしたことをおわびする」と謝罪した。「引き続き誠心誠意、職務に当たり、復興に全力を尽くす」と述べ、辞任しない考えを示した。 今村氏は4日の記者会見で、古里に戻れない状況にある自主避難者がどこで暮らすかは「本人の責任・判断でしょう」と述べた。フリーの記者の「帰れないのは自己責任か」という問いに「基本はそうだと思う」と述べ、その後のやりとりの中で激高した。 委員会で質問に立った民進党の郡和子氏(比例東北、仙台市出身)は「この大臣のもとで復興を議論することはできない」と辞任を要求。「『本人の責任だ』などとの発言は今も同じ気持ちか」とただすと、今村氏は「『自己責任』という言葉の使い方がよくなかった。事故の影響で避難しているにもかかわ
市街地近くか、高台か―。陸前高田市が6日、市議会本会議に関連議案を提案した市庁舎の再建場所をめぐり、市民の意見は割れている。2013年に「東日本大震災の津波浸水区域外で高台」と方針を決めていた市が示した高田小は、紛れもない浸水域。「商業者は生き残りを懸けて決断した」「同僚を目の前でなくした過ちを忘れたのか」―。震災から間もなく6年、国の支援を受けられるタイムリミットが迫る中、子孫にどんなまちを残すのか、議論の行方が注目される。 かさ上げした中心市街地には、被災後仮設店舗で営業してきた商業者が結集し、100~120店舗の出店が見込まれている。市商工会の伊東孝会長(63)は「多くの人の考えで決めた復興計画だ。市役所を含めた一体的なまちづくりでにぎわいを生み出したい」と可決を願う。 昨年11月から28回開いた市長と市民の懇談会でも、運転免許証の返納を考え、公共交通を重視したまちづくりを求める高齢
昨年8月の台風10号豪雨災害から30日で5カ月。岩泉町では道路と各住家などを結ぶ生活橋の本復旧の見通しが立っていない。山間部を中心に70カ所以上あり、必要分を全て直すとしたら総額5億円以上かかる上、私道扱いのため国の激甚災害の補助対象外となるのが課題。鉄パイプを組み、木の板を渡した応急復旧の橋に頼るしかない住民たちから早い対応を望む声が上がるが、財源確保という高い壁が立ちはだかる。 豪雨災害は、山間部の沢沿いに立地する集落や民家を襲い、個人や地域で整備した生活橋が流失、損壊した。町によると、住家と道路を結ぶ橋が158、田畑などを行き来するための橋が32の計190カ所あるうち、住家63、住家以外10の計73カ所が被災した。 町は住家と道路を結んでいた橋63カ所のうち、復旧が必要な51カ所に鉄パイプと木の板の仮橋を設置。幅員約1~1・5メートルと心もとなく、床板は5年程度で腐食する可能性がある
【東京支社】ノーベル賞作家の川端康成(1899~1972年)が暮らした神奈川県鎌倉市の邸宅から、第2次世界大戦末期に花巻市に疎開した彫刻家で詩人の高村光太郎や、新感覚派の盟友だった作家横光利一、林芙美子の書など76点が見つかった。同世代の作家や文豪の書などが多数見つかったのは初めてで、文学者同士の交流の様子がうかがえる新資料。7、8月に盛岡市本宮の県立美術館で開催する企画展で、その多くを国内初公開する。 川端の作品資料や愛蔵品の保存などに取り組む川端康成記念会(川端香男里理事長)が24日、東京都目黒区の日本近代文学館で記者会見して発表した。 川端邸敷地内の書庫の整理中に見つけ、川端理事長らが12月6~8日に調査し確認した。書が52点で、書簡や絵画もあった。藩制時代の画家池大雅や、明治―大正期に活躍した文豪夏目漱石の書など、古書店などで入手したらしいものも含まれていた。 【写真=智恵子抄の一
盛岡市の北上川に架かる開運橋(全長約82メートル)が、落書きされているのが15日見つかった。長年「二度泣き橋」と県内外に親しまれている盛岡の象徴を汚す行為に、市民は憤っている。 落書きは左右両岸に1カ所ずつで、左岸側が縦約110センチ、横約60センチ、右岸側が縦横約20センチ。いずれも黒のペンやスプレーで意味不明の汚れを付けたとみられる。上流側の鉄骨にも落書きの張り紙があった。 15日現在、警察に被害の相談はないが、落書き行為は器物損壊罪などに当たる。盛岡東署はパトロールを強化する方針だ。 【写真=落書きされた開運橋の左岸側=15日午後4時半ごろ、盛岡市】
冬の成人式を行った県内24市町村の新成人100人のうち71%が、東日本大震災の風化が進んでいると感じていることが、岩手日報社が行ったアンケートで分かった。震災から間もなく6年という時間の経過から「話題にならない」「災害が相次ぎ忘れられている」と感じている人が多くを占めた。出身地別では内陸の約80%が風化の進行を感じている一方、沿岸は半数以上が「風化していない」と回答し、意識の差も浮き彫りとなった。未来を担う若者に教訓をいかにつなぎ、命を守る取り組みを進めるかが問われている。(10日付紙面に結果詳報) 震災の風化の進行を聞く設問に「かなりしている」が7%、「ややしている」が64%を占め、「あまりしていない」の25%、「全くしていない」の4%を大きく上回った。出身地別で見ると、内陸では「かなりしている」「ややしている」が合わせて77・9%に上ったが、沿岸は47・8%と大きな差があった。 「やや
25日午後5時半ごろ、一関市花泉町涌津のコンビニエンスストア「ファミリーマートフレンドボックス花泉店」に同市花泉町の男性(73)の乗用車が突っ込んだ。後部座席に乗っていた妻が腰の痛みを訴え、同市の県立磐井病院に運ばれ、軽傷。 一関署や目撃者によると、県道183号を南進してきた男性の車がコンビニ前のY字路交差点付近で、道路右側の縁石に衝突。進路を変えてコンビニの駐車場に停車していた乗用車にぶつかった後、店正面の自動ドアを突き破って店内で停止した。当時店に客はおらず、店員2人にもけがはなかった。同署は詳しい事故原因を調べている。 店員の20代男性は「ガシャンと音がしたと思ったら目の前を車が通った。突然のことで何が起こったのか分からなかった」と驚いていた。 【写真=コンビニエンスストアに突っ込んで止まった乗用車。店内には壊れた棚などが散乱した=25日午後6時20分ごろ、一関市花泉町(画像の一部を
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