国際原子力機関(IAEA)は10日、東京電力福島第1原発事故に伴う県内の除染で出た土壌の最終処分や再生利用に向けた環境省の計画について「安全基準に合致している」と評価する最終報告書を公表した。最終処分に関する戦略や工程については明確にするよう提案し、同省は年度内に再生利用を含め詳細な基準をまとめた省令を策定するなど、実現に向けた取り組みを加速させる。 IAEAのアナ・クラーク廃棄物・環境安全課長が環境省で伊藤信太郎環境相に最終報告書を提出した。国際的な評価を受け、伊藤氏は「大変心強い。報告書を踏まえ、より良い形で再生利用と最終処分が進められるよう取り組みを進める」と述べた。 報告書では、再生利用する土壌の放射性セシウム濃度を1キロ当たり8千ベクレル以下とする基準を「(年間追加被ばくの)線量基準を十分に達成できる」と評価。実証事業のデータから、土の中の放射性セシウムは水にほとんど溶け出さない