民主党政権の体たらくは、自民党時代よりひどいといわざるを得ない。第90代、第92代の内閣総理大臣をつとめた安倍晋三、麻生太郎の両氏は、「今の民主党は政権党の体をなしていない」と怒り心頭だ。政治ジャーナリストの藤本順一氏が司会を務めた対談は外交問題にも及んだが、二人の民主党に対する姿勢はかなり厳しかった。 * * * ――TPP(環太平洋経済連携協定)については、自民党も賛成の立場だが。安倍:日本にとって自由な貿易環境はプラスです。私が総理の時も、麻生さんに外務大臣としてEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)を積極的に進めてもらった。私はその延長線でTPPも考えていますが、当然、国益にかなうかどうかを個別に考えるべきだし、それは交渉によるんです。麻生:そう。うまく交渉して守るべきものは守っていけばいいのです。安倍:例えば農業分野がGDPに占める割合は日本では1.5%。「後の98.5%