(1900〜1968)ご存知、龍之介の妻。父が日露戦争で戦死したため、母の実家山本家に住むことになった。母の弟山本喜誉司は龍之介の友人であり、これが縁で龍之介と知り合うようになる。この時文は7歳か8歳だから、<幼なじみ>という関係といえるだろう。龍之介が文に対する感情を山本喜誉司に漏らすのは大正4年末。7年2月に結婚した。 作中では「子供の病気」「死後」「年末の一日」「蜃気楼」「鵠沼雑記」「歯車」「本所両国」「或阿呆の一生」に登場。結婚前龍之介から文に送られた書簡は龍之介の女性観がうかがえるほか、口述した「追想 芥川龍之介」は芥川夫妻の日常の姿を知る貴重な資料である。また小穴隆一著「二つの絵−芥川龍之介の回想」でも興味深い発言が多い。 吉田弥生 (1892〜?)青山女学院英文学科卒業。龍之介初恋の相手として知られている。弥生の養父長吉郎は東京病院の会計を担当、この病院に牛乳を納めていた龍