未婚の母の元に生まれ、住まいを転々として「所在不明」となり、一度も学校に行けないまま大人になったさいたま市の男性(34)が、「父」の名前が戸籍に記載されるよう、「死後認知」の訴えを30日、東京家裁に提起した。いまは都立高校の定時制に通い、来春卒業を予定。父、そして自分は何者かを明らかにし、けじめをつけて社会に出たいという。 戸籍の父の欄は空白だが、家族の中では「父」の存在は明確だ。国会議員の秘書をしており、3歳ごろには一緒に食卓を囲んでいた。母と5歳下の妹との3人暮らしの家にときどき帰り、食事に連れていってくれたり、発売直後のPHSを持たせてくれたりした。 陳述書などによると、父には別に家庭があった。母は認知を求め、父は「認知する」と言いながらしなかった。母は精神的に不安定で働けず、生活費は父が出したがしばしば遅れた。 家賃滞納による立ち退きが何度かあり、小学校への入学はうやむやに。母は学
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