塹壕の中や戦艦の甲板で、猫の姿が見られるのはごく普通の光景だった。ネズミを捕るという公的な任務のほかに、彼らはかわいらしいマスコットとして、兵士や水兵たちに愛されていたのだ。 第一次大戦では、およそ50万匹の猫がネズミ退治やガス探知機として従軍していたと言われている。最初に船に猫を乗せる価値に気づいたのは、古代エジプトの船乗りたちだったようだ。猫はネズミを退治するだけでなく、長い航海の間、船乗りたちの良き仲間となった。猫がいなければ、船はネズミだらけになって食物を食い荒らされたり、ロープをかじられたり、病気が蔓延したことだろう。迷信深い船乗りは、猫が幸運をもたらし、守ってくれると信じていた。船乗りが故郷のペットを思い出して、訪れた異国の地から土産として猫を連れ帰ってくることもあったという。 英国海軍防護巡洋艦エンカウンター号の猫 この画像を大きなサイズで見る 塹壕の砲兵と猫 この画像を大き