古典芸能でなんとなく取っつきにくそうな講談が、人気アニメと合体したら? 根強いファンを持つ「機動戦士ガンダム」を題材にした講談が、若者を中心に支持を集め、新たな境地を開いている。【濱田元子】 「やおら立ち上がりましたRX-78ガンダム。ルナチタニウム白銀縅(しろがねおどし)の大鎧(よろい)に、白檀(びゃくだん)みがきの籠手脛当(こてすねあ)て……時に宇宙世紀79年は9月の18日、ここに連邦軍初の白兵戦用モビルスーツ、ガンダムは堂々と立ち上がりました」 上方講談師の旭堂南半球さん(32)が張り扇で講釈台を「バン、バン!」とたたきながら、見てきたようにガンダムの世界をリズミカルに物語る。 「ガンダム」は79年にテレビアニメとしてスタート。地球の人口が増えすぎ、人類が宇宙のスペースコロニーへ移住している、という設定だ。地球から最も遠いコロニーがジオン公国と名乗り、人型機動兵器・モビルスーツを使っ