葛飾北斎(1760~1849)は、江戸時代後期の浮世絵師です。 「大波」や「赤富士」で有名な『冨嶽三十六景』が代表作として挙げられますが、『北斎漫画』も世界中で人気があります。 『北斎漫画』は全15冊の中に森羅万象約4000図が描き込まれたデッサン帳のようなものです。発売当時、日本でも一般庶民から武士、大名に至るまで大いにもてはやされましたが、19世紀中頃ヨーロッパにもたらされ、マネ、モネ、ドガなど印象派の画家たちの度肝を抜きました。彼らは北斎のイマジネーション溢れるコンポジションやデッサン力に脱帽し、自らの創作にも影響を受けました。近年ではパウル・クレーも『北斎漫画』を愛蔵し、模写していたことが分かりました。 『北斎漫画』は元々、北斎が全国にいた弟子に向けて発信した「絵手本」ですが、日本に留まらず世界中の画家のテキストブックになったと言っても過言ではありません。出版文化という視点から見て
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