戦争は社会を規定し、社会は戦争を規定する。 ヨーロッパ史を通じ、戦争の歴史と社会の変遷は両軸を為していることが分かるスゴ本。ヨーロッパ社会はもとより、今日の歴史が戦争を通じていかに形成されてきたかについて理解できる。 戦争が常態化している中、平和とは単なる一時的な秩序に過ぎないのはなぜか。戦争の原因として宗教や経済から眺めるのは、見えてる部分だけで語ることに過ぎぬ。戦争は歴史を通じて社会にロックインされており、この現状を築き上げたのは、他ならぬヨーロッパだということが分かる。 ヨーロッパの歴史を考察し、社会変化に伴う戦争の様相の変遷を概観した一冊。わずか250頁に1000年間の戦争の歴史が包括的かつ体系的に圧縮されており、戦争を考える上で入門書であり基本書になる。 本書は、政治、経済、社会制度、技術、戦争目的、そして現実の戦争の様相の相互関係を明確化している。著者は、社会が変化するに従って