「よろしくお願いします。よろしくどうぞ…」 7月28日、北海道室蘭市で開かれた夏祭りの最中、スーツにネクタイを締めた民主党衆院議員の鳩山由紀夫(65)が、一人ひとりに頭を下げながら名刺を配っていた。 小選挙区制が導入されてから、鳩山は室蘭市を含む衆院北海道9区を制し続けてきた。平成21年の前回は全国最多の20万票を獲得、有権者の熱い期待にも後押しされ首相に就いた。 それから3年。会場では、誰もが元首相を見つけると握手を求め、鳩山も笑顔で応じた。知名度は十分ある。それでも、週末ごとに地元に入り、丁寧に名刺を配るところに、近づく衆院選への鳩山の危機感がうかがえる。 その最中のことだった。 「ぶれてるんだよ、あんたは。離党しないのか!」 鳩山を応援してきたという72歳の男性が罵声を浴びせた。 「ちゃんとやってます。消費税は上げちゃダメなんですよ…」 鳩山は一瞬、うろたえてしまい、満足に答えること
民主党の輿石幹事長は5日の記者会見で、社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決に造反して党員資格停止処分の方針が示された鳩山元首相らについて、処分期間中に衆院選が行われた場合、「公認にならないことはあり得ない」と述べ、同党の候補として公認する考えを示した。 輿石氏は処分案を発議した3日の党役員会では、「処分期間中であれば、公認候補にはならない」と説明。鳩山グループ議員を中心に「厳しすぎる」と反発が広がっていた。新たな離反を防ぐため、軌道修正したものとみられる。 処分対象議員が、政策調査会の部門会議などに「オブザーバー」として出席することも認める方針だ。
民主党の鳩山元首相は24日、北海道室蘭市で開いた後援会会合で、「今、消費税を上げるべきではない。そのことを採決になれば示していかなければいけない責務がある」と述べ、社会保障・税一体改革関連法案に反対票を投じる意向を表明した。
鳩山由紀夫前首相が沖縄県地元紙のインタビューで、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の県外移設を断念する理由として「在沖縄海兵隊の抑止力」を挙げたことを「方便だった」と語った。民主党政権の外交・安全保障政策の信頼性を著しく損ね、政府の沖縄県との移設交渉はさらに難航するのは確実。ただでさえ国会運営に行き詰まり、内閣支持率の低迷で青息(あおいき)吐息(といき)となっている菅直人首相にとって鳩山氏は最大の「難敵」と化している。(阿比留瑠比) 「(鹿児島県)徳之島もダメで(沖縄県名護市)辺野古となったとき理屈付けをしなければならなかった。抑止力は方便といわれれば方便だが、広い意味で使えると思った」 鳩山氏は13日付の琉球新報、沖縄タイムスのインタビュー記事でこう語った。 鳩山氏は昨年5月4日、首相として沖縄訪問し、県外移設断念を表明。その理由を「学べば学ぶにつけ、海兵隊のみならず、沖縄の
鳩山由紀夫前首相が沖縄の地元紙のインタビューに対し、昨年5月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を断念した理由として在沖米海兵隊の抑止力の重要性を挙げたことについて「方便だった」と語った。鳩山氏は14日午前、記者団に「『方便じゃないか』と聞かれたから、『そうかもしれない』と答えた」と釈明。「後付けの理屈でそう解釈できるという発想で言った。トータルとしての米軍の存在が抑止力ということになると(今も)思っている」と述べた。 琉球新報など地元2紙が13日に報じた記事によると、鳩山氏は「(移設候補地の鹿児島県)徳之島も駄目で(沖縄県名護市)辺野古となったとき、理屈付けをしなければならなかった。抑止力は方便といわれれば方便だが、広い意味で使えると思った」と語った。 鳩山氏の発言について、枝野幸男官房長官は14日午前の記者会見で「司令部と陸上部隊、後方部隊を統合した組織を有し、幅広い任務に対
民主党代表選をめぐる首相、菅直人と前幹事長、小沢一郎の衝突回避に失敗した前首相、鳩山由紀夫。「ボクはいったい何だったのか」とぼやき、小沢支持を表明しながら代表選告示後は目立った動きを控えてきたが、7日、ついに動いた。(榊原智) 7日午後、衆院第1議員会館内の鳩山側近の前首相補佐官、中山義活の事務所。鳩山と当選1回の衆参議員20人が顔を合わせた。 テーブルの上にはペットボトルのお茶。検察審査会が審査中の小沢の「政治とカネ」の事件は“虚構”だとするジャーナリスト、鳥越俊太郎のコラムの写しが配られる。 鳩山は菅への怒りをぶちまけた。 「小沢さんはポストの要求をしていなかった。(8月30日夜の菅との会談で)『丸く収めましょう』と言って帰ったら、翌朝に菅さんは違うことを言うんだ。裏切られた。だまされる悔しさを味わった」 鳩山にしては珍しくクリアな物言いだった。 「小沢さんは米国とパイプがある。国会を
9月1日に告示される民主党代表選をめぐり、小沢一郎前幹事長は31日昼、鳩山由紀夫前首相、輿石東参院議員会長と会談した。30日夜、菅直人首相と鳩山氏が挙党態勢の構築で一致したことを踏まえ、小沢氏は立候補するかどうか最終判断する。ただ、小沢グループには主戦論がやまず、閣僚からは候補者を一本化することに異論も噴き出している。
<解説> 民主党の小沢一郎前幹事長が代表選への出馬を表明したのは、党運営の主導権を奪回するには、名実共にトップに立つしかない局面に追い込まれたからだ。菅直人首相に政権中枢への復権を拒否されたことで、勝利を確信できないまま、戦いに踏み切った。 本来、表舞台に立つことを好まない。「軽いみこし」をかつぎ、陰に陽に影響力を及ぼすのが得意の政治手法だ。その意味で鳩山政権での幹事長は、居心地がよかった。 菅政権では一転して力を誇示する場面はなくなった。小沢氏は今回、首相が持ち掛けた会談を拒む一方で、鳩山由紀夫前首相を介して挙党一致、つまりは自身の重用を首相に迫ってきた。しかし、検察審査会の審議次第で強制起訴される可能性があるのに要職を望むのはどだい無理な話だ。
鳩山前首相が24日夜の小沢一郎前幹事長との会談で、9月の民主党代表選では菅首相を基本的に支持する考えを伝えたことで、小沢氏の代表選出馬は厳しい情勢になってきた。 党内でも首相再選を支持する声が広がっており、「小沢氏は外堀を埋められた」(党幹部)という見方も出ている。 関係者によると、会談は小沢氏側から申し入れ、鳩山氏に近い平野博文前官房長官と小沢氏の元秘書である樋高剛衆院議員が同席した。 鳩山氏は24日、小沢氏の出馬について、「政権交代の原動力になった小沢さんを傷つけるわけにはいかない。このまま周りが突っ走って代表選に出馬し、小沢さんが党を出るようなことになれば、民主党は崩壊する」と周囲に懸念を示した。この日の会談でも、代表選で党に亀裂が生じないよう、小沢氏に厳しい党内情勢を伝えたとみられる。鳩山氏は首相とも会談する考えで、小沢氏の処遇を含む党内融和を図るよう求めたい考えだ。 鳩山氏は同日
政府が10日に閣議決定した日韓併合100年の菅首相の「首相談話」は、従来の政府見解の枠内で、菅政権の外交姿勢をアピールするという微妙なバランスに腐心した。 談話をめぐる政権の思惑と、内外に与える影響を探った。 10日午前の閣議で、閣僚が首相談話に署名し、閣僚懇談会に切り替わると、玄葉公務員改革相が言葉を選びながら発言した。 「党内には様々な意見がある。今回は(閣議で)サインをしたが、今後は早い段階で相談いただきたい」。民主党政調会長を兼ねる玄葉氏は、政府・与党内に十分な根回しが行われなかったことへの不満を口にしたのだ。 「1995年の村山首相談話を超えるものではない」と仙谷官房長官が理解を求め、続く菅首相が「未来志向の日韓関係を築くために、決断した」と発言すると、閣内の議論はあっけなく終了した。 談話の作成に直接かかわったのは、首相、仙谷氏、福山哲郎、古川元久両官房副長官の4人。村山首相談
民主党臨時両院議員総会を終え、小沢一郎・幹事長(左)の耳元に話しかける鳩山由紀夫首相=2日午前、国会(酒巻俊介撮影) 鳩山由紀夫首相は2日、辞任表明に当たって二人三脚で政権奪取を果たした民主党の小沢一郎幹事長を道連れにした。本来は「水と油」ほどにタイプの違う2人は、権力を掌握するという目的のために相手を必要とし、利用し合ってきた。だが、思い描く理想も好む政治手法もあまりに異質で、互いの足らざる点を補い合う協力関係の破(は)綻(たん)は起こるべくして起こったように見える。(阿比留瑠比) かつては小沢嫌い 首相と小沢氏はかつてはともに自民党旧竹下派に所属し、平成5年に同じく「政治改革」を掲げて離党した。そして非自民の7党1会派による細川護煕政権では、首相は官房副長官として、小沢氏は与党・新生党の代表幹事として政権を支える立場だった。 この間の経緯だけを見ると、2人はもともと深い関係にあったよ
「解任動議通る」小沢氏が引導=自信の親指立てで情勢一変−首相退陣の舞台裏 「解任動議通る」小沢氏が引導=自信の親指立てで情勢一変−首相退陣の舞台裏 首相の座に固執する鳩山由紀夫首相。参院選前の退陣を迫る小沢一郎民主党幹事長。党内が息を詰めて見守る中、密室で展開した政権のトップ同士の暗闘は、1日夜の段階では、首相が逃げ切るかに見えた。一夜にして情勢を一変させたのは、首相の不用意なしぐさだった。 ◇輿石氏ら参院に危機感 「両院議員総会で代表解任動議を出せば通ってしまうよ」。小沢氏が電話でこう言って辞任の決断を促すと、首相は「分かりました」と答えるしかなかった。この電話会談は2日早朝にあったとみられる。 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題は迷走の末、自民党政権の計画をほぼ踏襲する形で移設先を閣議決定した。首相は自ら掲げた「5月末決着」も「最低でも県外」も守れず、社民党の連立離脱を招き、政権は
続投か、退陣か――。鳩山首相の進退を巡る首相と民主党の小沢幹事長らの1日の協議は、結論を2日以降に持ち越した。 首相は政権維持になお意欲を示しているが、参院選を控えて党内の反発は強まっており、予断を許さない情勢だ。 「総理、続投ですか!」 1日夜、国会内で小沢氏らとの会談を終えたばかりの首相に記者団が問いかけると、首相は無言で左手の親指を立て、笑顔を見せた。 「首相はしぶとい。簡単に辞めるタマじゃない」 首相の周辺は「続投」のサインと見てとった。 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で迷走を重ね、内閣支持率の急落と社民党の連立政権離脱を招いた首相に対し、民主党内の批判は強まる一方だ。しかし、当の首相は周辺に「なぜ普天間で辞めなければならないのか」とこぼしているという。沖縄や社民党の反対を押し切ってまで、同盟国・米国と共同声明をまとめあげたではないか、という自負心が働いているようだ。 一時は関
最後のあいさつを終え、一礼する鳩山由紀夫首相。左端は民主党の小沢一郎幹事長=2日午前10時22分、国会内、川村直子撮影首相官邸に入る鳩山由紀夫首相=2日午前8時44分、首相官邸、川村直子撮影鳩山由紀夫首相と会談するため幹事長室を出る民主党の小沢一郎幹事長=1日午後6時1分、国会内、河合博司撮影 鳩山由紀夫首相は2日午前に開かれた民主党の両院議員総会で辞任を表明した。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題を巡り、社民党が連立政権を離脱。7月の参院選での選挙協力に亀裂が入り、参院民主党を中心に「このままでは参院選が戦えない」といった辞任要求が噴出。内閣支持率も10%台に落ち込み、首相はこれ以上の政権運営は不可能だと判断した。同時に、民主党の小沢一郎幹事長にも辞任を促し、了承を得たことも明らかにした。 鳩山首相は、公開で行われた両院議員総会の中で、「引かせていただきたい」と表明。辞任の
鳩山政権の国会運営は厳しさを増している。社民党の連立離脱で、参院(242議席、欠員1)の与党系会派は過半数となる121議席を1議席だけ上回る122議席しかない。自民党など野党側が首相の問責決議案を提出した場合、与党から造反議員が出れば決議案が可決されかねない状況だ。 自民党の谷川秀善参院幹事長は1日の記者会見で問責決議案について「時期とタイミングが大事だ。あとは粛々とやるだけ」と述べた。公明党の漆原良夫国会対策委員長も「時期をいろいろと考えている」と歩調を合わせる。 参院で5議席を持つ社民党からも「内閣不信任決議案と首相問責決議案は賛成の方向で調整している」(党幹部)との声が上がる。参院民主党では首相批判が続いており、党沖縄県連代表の喜納昌吉参院議員もこの日、記者団に「筋の通っている問責ならいい。まず中身を吟味する」と強調。場合によっては賛成もあり得るとの認識を示した。 問責決議案に
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