栗東市手原の手原遺跡で、平安時代(九世紀後半)の地鎮祭祀(さいし)の跡「埋納遺構」が四カ所確認され、市教委が二十一日発表した。うち一カ所は古代銭が入ったつぼが東西南北を意識して納められており、市教委は「地鎮に対する信仰や思想のあり方を解明する上で重要な発見」と意義付けている。 方位が意識されている遺構は、約七十センチ四方、深さ二十八センチ。四隅には深めの皿が伏せられた状態で見つかり、八一八(弘仁九)年に鋳造された銭貨「富寿神宝」が五枚ずつ入った小型のつぼが五点、皿でふたをされ、十字になる形で置かれていた。中央を除く四点はそれぞれ東西南北に配置され、けがれを取り払うためとみられるモモの種も見つかった。 市教委によると、古代銭を埋納することや、つぼに皿でふたをすること自体が珍しい上に、古代銭が入ったつぼが一カ所から複数見つかる例は全国的にもほとんどない。配置方法から、密教や道教といった宗教との
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