「書」を学ぶ方法もさまざまにあります。 稽古していれば自然と「古典」と評価される書に興味がいくでしょうし、作品の書きぶりを通じてその作者がどんな人生を送ったのか、どのような時代背景でその書が生まれたかなど歴史的な関心が生まれるかもしれません。そうした関心や知識は、「書」への理解を必ず豊かにしてくれるはずだと思います。そのために実にさまざまな書物が編まれています。今回からしばらくそうした書について〈学ぶ〉ために必要な書物を紹介します。 まずは辞典・事典類から。「書道辞典・事典」と名のついたものは10種類程度刊行されていますが、それぞれに異なった特色を持っています。たとえばある書作品について、漠然と全体像を知りたいと思うこともあるでしょう。またはその作品に何が書いてあるのか、歴史上どのような評価をされているのか、あるいはその人物や書かれた時代について知りたいのかがはっきりしていることもあるでし