日本軍戦没者の集団埋葬地とみられる場所で調査するスタッフ=7月26日、パラオ・ペリリュー島(日本戦没者遺骨収集推進協会提供) 先の大戦で日本軍約1万人が玉砕したパラオ・ペリリュー島で、日本人戦没者1086人の集団埋葬地を特定する調査が今年7月に始まった。日本側は埋葬地の存在を把握していたが、地権者との交渉が難航するなど手つかずの状態が続いていた。約10年にわたり膠着(こうちゃく)していた事業が動き出した背景には、日本人の血を引く島の有力者の尽力があった。 推進協は7月、史料に基づき3カ所を試掘。現地は湿地帯近くで密林に覆われ、家電や車などが投棄された場所で、木を伐採して掘削を進めたが、固い岩盤に阻まれるなど難航し、手掛かりは見つからなかった。試掘調査は10月に再度実施される予定だ。 調査前に急逝埋葬地をめぐっては平成25年10月、米国の戦史研究家から、位置を示す当時の手書きの地図が日本側に