参院選を控え、各党のマニフェストが出そろった。今回は、民主党・自民党の医療分野のマニフェストに絞って議論したい。新聞などで多くの解説が紹介されている高齢者医療制度は除く。 【医療は論点でなくなった】 民主・自民党のマニフェストを読んで感じたのは、与野党の主張に明確な論点がないことだ。ともに、増税による財政再建、成長戦略、社会保障強化を訴えている。この状況は、昨年の総選挙で財源論をめぐり、与野党が対立したのとは対照的だ。 与野党とも医療政策は重視していない。民主党のマニフェストでは、トップは成長戦略を中心とした強い経済、ついで財政再建、政治改革、外交・安全保障、子育て・教育があって、やっと年金・医療・介護が登場する。 ちなみに、昨年の総選挙では、トップが予算組み替え、ついで子育て手当、年金・医療だった。この数年間、医師不足、お産難民、新型インフルエンザなど、医療が世論の関心を集めてきた