□陸自第10後方支援連隊第1整備大隊(愛知) ■海水浴場で女児の命救った 「誰かっ! 誰かーっ!」。平成24年夏、3人のまな娘と海水浴に来ていたビーチに女性の悲鳴が響き渡った。「尋常ではない」。思うより先に駆けつけると、血の気を失い青白くなった小さな女の子が、微動だにせず砂の上に横たわっていた。 女の子の母親は名前を叫び、大きく膨れたおなかをひたすら押していた。すでに脈拍、呼吸はなかった。「絶対に助ける」。心臓マッサージを施すと、わずかに水を吐いた。海水でおなかが膨れていた。「これだけ飲んでいては呼吸ができない」。うつぶせにして抱え込み、背中を強くたたくと、一気に大量の水を吐き出した。「うっ」。絞り出すように声を発した女の子。一瞬の静寂の後、見守っていた人たちから歓声と拍手がわき上がった。 後に女の子が2歳と知った。「目の前で小さな命が消えようとしていたら、自衛官なら誰もがとった行動だと思