朝日の検証記事で《当時、虚偽の証言を見抜けませんでした》と書いているが、そんなはずはないと話すのが、かつて吉田氏を取材したこともある元朝日新聞ソウル特派員のジャーナリスト・前川惠司氏だ。 「川崎支局にいた’80年ごろ、初めて吉田氏と会いました。印象としてはヌルッとした人だなと。彼は炭鉱などへ労働者を送り込む労務報国会にいて、朝鮮で畑仕事をしている人たちを無理やりトラックに乗せて連れ去る“徴用工狩り”をしていたと証言しました。でも、そのときは“慰安婦狩り”についてはまったく触れていなかったのです」(前川氏・以下同) やがて吉田氏の「慰安婦狩り」の証言は頻繁に記事になっていく。 前川氏は韓国で伝手をたどり、強制連行された女性たちを探し歩いたが、そういう噂を聞いた人すら一人もいなかった。 「ある人は『日本人が無理やり娘をさらったりしたら、暴動が起きる』と言いました。吉田氏が慰安婦狩りをし