「原口一博総務大臣の態度は、絵に描いたような『君子豹変』だ。これでNTT労働組合の献金問題で嫌味を言われることもなくなるだろう。ただ、わずか半年で180度の方向転換をしたのだから、NTTグループにとっては大変な誤算のはず。かなり慌てているらしい」――。 各方面を慮っているのではないかと疑いたくなるほど、新聞・テレビの主要メディアは報じようとしなかったが、原口総務大臣が3月9日の総務省3役会議で、光ファイバー網の全国整備を加速する「光の道構想」の早期取りまとめを指示したことが、賛否を巡って電気通信業界を二分する話題になっている。 原口大臣にとって、多くの民主党の主要閣僚と同様に、野党時代からNTT労働組合は有力支持母体のひとつだ。それゆえ、どちらかといえば、議論ばかりが盛り上がり、四半世紀あまりにわたって本質的な進展のみられなかったNTTグループの分離分割論議などには冷ややかな政治家とみられ