ずいぶんと前から出ないかなと思っていた本がやっとでた。 インタビュアーはおかしな芸能関係ライターさんではなく、インドネシア現代史の(私にとっての)権威、倉沢愛子先生だというのも納得。 白眉は「9・30事件」の章で、すでにその真相はかなりの部分が明らかになってはいるものの、スカルノ政権中枢から見た「事件」像は、貴重な証言として記憶されるべきものだと思う。 デヴィ夫人の政治的スタンスは、昨今の「愛国心」関係の発言などなどウヨク保守系文化人を喜ばせているが、実はナサコム体制の頃からあんまり変わっていないのではあるまいか、というのが私の印象です。一昔前の中共的な救国民族統一戦線の一翼を担う民族ブルジョアジー……みたいな匂いがそこはかとなくするのであります。 デヴィ・スカルノ回想記 栄光、無念、悔恨 作者: ラトナ サリ デヴィ・スカルノ出版社/メーカー: 草思社発売日: 2010/10/06メディ
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