<平和なはずの日本で起きた突然の暗殺事件。人生の儚さを前に、NY在住の大江千里が問い直す「幸せとは何か」――> 誰かにいきなり奪われる命。7月8日、安倍元首相が殺された。誰も想像さえしなかった出来事が起き、日本社会は不安と、言いようのない無念さに襲われた。 普段は起きないことが起きたことへの衝撃と、それをどう消化すればいいのかという、悶々とした気持ち。日本を良くするため、全力で遊説をする最中の襲撃であった。それがあんなふうに簡単に命が奪われてしまう様をまざまざと見せつけられると、いやでも応でも人の人生の儚さや、人にとっての幸せとか何かをふと考えてしまう。 平和な日本であるはずなのに――ああ、トランプ以降のアメリカに渦巻く、複数の階層が対立するような社会に日本も陥ってしまったのだろうか。 言いようのない「不安」は何もいま始まったことでもないだろうに、何やらこの事件でいろいろ考えれば考えるほど