[東京 5日 ロイター] - 新型コロナウイルス禍の最前線に立ってきた横堀将司医師は今、救急医として東京五輪の会場に派遣され、不思議なほど穏やかな日々を送っている。今週は重量挙げの会場を担当、最終日の4日までに大けがした人はなく、コロナの陽性者も出なかった。 東京五輪はほぼすべての競技が無観客となり、選手を始めとした大会関係者には行動ルールが定められている。47歳の横堀さんが勤務する日本医科大学付属病院の高度救命救急センターの状況とは別世界だ。そこは今、医療崩壊を招きつつあるコロナの感染第5波と戦っている。 「今、2つの異なる世界にいる」と、横堀さんは言う。「病院のような現実の世界に戻れば、たくさんのコロナ患者の対応に当たる」。横堀さんが派遣された重量挙げの会場、東京国際フォーラムは人が少なく静かだ。「天国と地獄のよう」と、横堀さんは話す。