太平洋戦争中、日本軍の戦いを支えたもう一つの戦い。それは、ラジオ放送でした。 ナチスのプロパガンダにならい「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り、偽情報で敵を混乱させました。 当時の日本放送協会のアナウンサーたちはどう戦争と関わってきたのか、当事者の証言や記録からたどりました。 (NHKスペシャル取材班) 戦前、戦中と日本の海外勢力圏拡大に伴って、ラジオの放送網も海外に広がっていきました。 太平洋戦争より前、1927年には、朝鮮の京城放送局が放送を開始。 1928年には、台湾の台北放送局が放送を始めました。 そのほか、満州や中国にも、放送局を開設していきます。 太平洋戦争が始まり、日本が南方に勢力圏を広げていくと、フィリピン、シンガポール、インドネシア、ミャンマーなどにも次々と放送局を開設。 そこで放送を支え“電波戦”を行っていたのが、当時の日本放送協会の職員たちでした。