コロンビアとパナマの国境地帯にある「ダリエン地峡」。道もないジャングルを抜けていく危険なルートだが、米国を目指すと決めた記録的な数の移民に利用されている。写真はベネズエラ出身の移民たち。コロンビアのアラウキタで2021年3月撮影(2022年 ロイター/Luisa Gonzalez) [カプルガナ(コロンビア) 11日 トムソン・ロイター財団] - コロンビア領内に広がる熱帯雨林は無法地帯だ。その中を、アンゴラ出身で妊娠5カ月の移民女性が重いリュックサックを背負って進んでいく。ジャングルの荷物運搬人からは「20ドル(約3000円)で荷物を担ぐよ」と声が掛かるが、2度断った。 「この先はもっとキツい。山も増える」。隣接するパナマに続く原生林を抜ける60マイル(約96キロ)の行程が始まる場所で、ガッシリした体格の地元男性は彼女に警告する。それでも彼女は首を振り、ぬかるんだ険しい道を重い足取りで進