「忍者学」は立派な学問である。三重大学では、伊賀地域を中心とした忍者に関する教育研究を推進し、その成果を広く国内外に発信する国際的な忍者研究の拠点として、また伊賀の地域創生に資することを目的として2017年7月1日に国際忍者研究センターを開設し、忍者研究に取り組んでいる。 『忍者学研究』は副センター長で三重大学人文学部の山田雄司教授のもと、文系だけでなく理系、医学系の研究者が一丸となって、忍者・忍術を真っ正面から研究し、現在まで判明した「忍び学」をまとめたものだ。 まずは食品化学の分野から忍者食に迫る。漫画やドラマなどで目にする丸薬のような忍者食。携帯していれば長期間の探査行にも耐えられ、エネルギーの補給となる夢のような食事が本当に存在するのか。 結論から言うと存在する。古くから伝わる忍術書に書かれたレシピ通りに苦労して作ると、意外にも食べられるものが出来上がった。栄養的にも、万能とはいえ