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ブックマーク / business.nikkei.com (46)

  • 「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感

    書こうか書くまいか散々悩んだ結果、やはり書こうと思う。 なぜ、悩んだのか? 一つには、何から書いていいか分からないほど、「絶望」に近い感情を抱いたこと。そして、もう一つは、どうしたら伝えたいことが伝わるか、最善の方法が見つからなかったからだ。 が、今書いておかないと後悔しそうなので、書きます。 テーマは「人さまに迷惑をかけるな!」といったところだろうか。 まずは、遡ること14年前に起きた、忘れることのできない“ある事件”からお話しする。 2006年2月1日、京都市伏見区の河川敷で、認知症を患う母親(当時86歳)を1人で介護していた男性(当時54歳)が、母親の首を絞めて殺害した。自分も包丁で首を切り、自殺を図ったが、通行人に発見され、未遂に終わった。 男性は両親と3人で暮らしていたが、1995年に父親が他界。その頃から、母親に認知症の症状があらわれはじめる。一方、男性は98年にリストラで仕事

    「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感
    deadwoodman
    deadwoodman 2020/09/15
    “「支援が必要な高齢者に対するケアの充実が図られたが、介護殺人の件数が減少する傾向は一切認められていない」…「日本における介護に関わる要因が背景に見られる 高齢者の心中や殺人に関する研究の動向」”
  • 「本を置いたら客層が変わった」 静かに広がる“配本のない書店”

    「止まらない離れ」「街から屋が消える」……。暗い話が目立つ出版業界だが、そんな“衰退論”を覆そうとする人々がいる。顧客がに出合う場を変え、出合い方を変え、出合う意味までも根から考え直す。そこには他業界にとっても価値がある、人口減時代に生き残るマーケティングのヒントがある。 2020年1月31日~2月1日の2日間、東京・二子玉川駅直結の商業ビルに挟まれた半屋外広場「二子玉川ライズ ガレリア」が、大勢の人でごった返した。建物の間を冷たい風が吹き抜ける中にもかかわらず、来場者は昼から夜まで途絶えない。目当てにしているのは、その場に集まった40店の「屋」だ。 このイベント「二子玉川 屋博」は、二子玉川の蔦屋家電を中心とする実行委員会が、独自の選書や販売の工夫で知られる全国の書店の協力を経て初めて実現したもの。出店者はブックオフコーポレーションが展開する「青山ブックセンター」のような有名

    「本を置いたら客層が変わった」 静かに広がる“配本のない書店”
  • 10年後に“人余り”の可能性、政府は説明すべき

    2018年12月に出入国管理法改正案(改正入管法)が国会を通過。19年4月から施行される。僕がこの問題について最も違和感を覚えたのは、どのマスメディアも問題の質について報じていないことだ。 国会審議の時間が衆議院で17時間、参議院で20時間と短かかった点は指摘している。しかし、なぜ短時間だったのか、なぜまともに審議もされなかったのかについては、追及していないのである。 改正入管法について、山下貴司法相は制度の内容をほとんど理解しておらず、野党の質問に対して「検討中である」との答えを連発した。安倍晋三首相も、下から上がってくる文書を読み上げているだけで、全体像を把握しているとはとても思えなかった。 つまり、担当大臣も、総理大臣も、外国人労働者の受け入れ問題、あるいは入管法改正について、十分な理解がないまま審議が進められたうえ、審議の時間も限りなく短縮されていたのである。 法務省はそもそも入

    10年後に“人余り”の可能性、政府は説明すべき
  • 乱用される国会の「質問主意書」と不誠実な「答弁書」 ツケは国民に

    乱用される国会の「質問主意書」と不誠実な「答弁書」 ツケは国民に
  • 台風19号、浸水エリアとハザードマップを重ねて見えた2つの事実

    ・台風19号で浸水したエリアと、水害を予測した「ハザードマップ」を重ね合わせ、どの程度一致しているか検証した。 ・長野市北部では、実際の浸水の範囲や深さがハザードマップの想定内に収まっており、有効性が実証された。 ・実際の被害は「水の深さ」と比例しない。氾濫した濁流の「速さ」が住宅を壊滅させた。 台風19号によって、全国各地で河川堤防の決壊が相次いだ。市街地で大規模な浸水が発生し、住宅被害も続出している。実際に浸水した範囲と、各自治体が事前に浸水を想定した「ハザードマップ」はどの程度、一致したのか。独自に2つの地図を重ね合わせると、水の「深さ」だけではない重要な視点が見えてきた。 検証したのは、千曲川が決壊して大規模な浸水被害が発生した長野市北部。国土交通省によれば長野市内で約950ヘクタール(東京ドーム約200個分)が浸水し、床上浸水した住宅は10月17日時点で調査中だ。JR東日の長野

    台風19号、浸水エリアとハザードマップを重ねて見えた2つの事実
  • 「飛行機がなぜ飛ぶか」分からないって本当?

    「飛行機がなぜ飛ぶか」分からないって本当?
    deadwoodman
    deadwoodman 2019/06/19
    “じっくりと考える論理的思考というのは、これはギリシャとか、フランスの啓蒙主義から出てきたもので。” “生活に余裕が出来て生まれた「後付け」” “人間にとって非常に不自然なことなんです。”
  • 1967年、ウルトラセブンは何と戦ったのか

    今年、2016年は、ウルトラマンシリーズの放送が始まって50年という記念すべき年だ。NHKでは7月9日土曜20時から、BSプレミアムで「祝 ウルトラマン 50 乱入LIVE!怪獣大感謝祭」を放送する。ウルトラマンのハヤタ隊員(黒部進)、ウルトラセブンのモロボシ・ダン(森次晃嗣)、帰ってきたウルトラマンの郷秀樹(団時朗)、ウルトラマンコスモスの春野ムサシ(杉浦太陽)など、錚々たるメンバーが顔を揃え、3時間、生放送を行う。 それに先駆ける格好で、7月6日水曜日放送の「アナザーストーリーズ」(NHK BSプレミアム、21時から)では、ウルトラマンシリーズからヒーローをひとり取り上げる。初代のウルトラマンではなく、ウルトラセブンだ。 なぜ恐れられ、なぜ愛されたのか 番組制作にあたって行った街頭インタビューでは「ウルトラマンシリーズではウルトラセブンが一番好き」という人に何人も出会った。 この連載を

    1967年、ウルトラセブンは何と戦ったのか
    deadwoodman
    deadwoodman 2019/04/12
    “ベトナム戦線は、1965年に米軍が上陸したことで拡大した。” “こういった人と人との争いには、どちらの立場にも大義名分がある。では宇宙人の側には、地球を侵略する言い分はないのだろうか。”
  • 「歳だけ重ね人材」量産のメカニズム:日経ビジネスDigital

    「独創性に富んだ社員が育たない」「幹部候補が成果を上げられない」「多くの社員が成長せず、そもそも後任候補すらいない」──。 社員に関する悩みを今、大企業の経営層に聞くと、多くが真っ先に口にするのが「ミドルクラスの弱体化」だ。中には、「経営環境の変化は分かるが、それにしても一流大卒業者の中からそれなりに厳選して採用したはずの生え抜きミドルが、なぜこうも伸び悩むのか」と疑問の声を上げる経営者もいる。 中高年社員の弱体化の要因としては以下のような指摘が一般的だ。 ①ITの高度化やAIの台頭に対応する専門知識がない ②グローバル化の流れに適応する語学力がない ③努力不足、バブル以降の世代に特有の精神力の欠如 だが誌は、人材育成に詳しい専門家への取材から、より説得力のある、もう一つの仮説にたどり着いた。それは、「多くの企業がプロパー社員だけでは戦えないと考えるようになったのは、ITの知識や英語力が

    「歳だけ重ね人材」量産のメカニズム:日経ビジネスDigital
  • セブン社長が語っていた「24時間営業を止めたいなんて声は出てない」

    セブン社長が語っていた「24時間営業を止めたいなんて声は出てない」
  • 記者の考えを変える契機は農業者が与えてくれた

    2019/01/08 01:49 良い記事だと思います。 しかし少し残念なのは、農業には多様性がある、その通りアタリマエのことを最終回前に持ってこなければならなかったことです。 工業は多様性がある。と言えば、読者の多くは当たり前と思うでしょう。同じ工業でも、鉄鋼業と印刷業やあるいは家庭内軽作業は全く違うことは日経の読書なら理解は容易でしょう。 農業の再生を語ることがメインテーマの連載で、最後には多様性があることを未来に求めて締められてしまう。このことはつまり、ここに至りやっと読者は農業という業界を細分化して捉える必要性があると認識されたということです。 今回、紹介されている農家の試みは新しく見えるかもしれませんが、日のどこかでは古くから続けられてきた取り組みであるとも言えます。日農業は構造の転換期にありますが、農業の質は変わらないのです。 未来の技術や新たな価値を語ることだけでは、問

    記者の考えを変える契機は農業者が与えてくれた
  • イノベーションを生むアートな直感力

    人生を変える「数学」そして「音楽」:教科書には載っていない絶妙な関係』(中島さち子著、講談社)というユニークな書籍がある。高校時代に数学オリンピックで金メダルを獲り、その後、東大理学部の数学科に進学。卒業後は、ジャズピアニストとして活動しながら、数学の面白さを伝える教育活動にも携わるという著者。お目にかかった際も、当にユニークかつ素敵な方だな、と思ったのだが、お書きになったもなかなか面白い。 一見、かけ離れた領域である数学音楽には、実は類似点があり、また両方を股にかけることで、相互に良い影響があるという趣旨の話が出てくるのだが、単にそれをご自分の体験談として文章化するだけではない。書中のところどころに、数学(的)クイズや楽譜・リズム譜が掲載されているのだけれど、これは読者にも、それぞれの世界がいかに楽しいものか、感性と論理の組み合わせがいかに重要か、といったあたりを、さわりだけでも

    イノベーションを生むアートな直感力
  • やたらと導入事例を知りたがる思考停止の人

    組織に新しい手法や情報システムを取り入れる際、やたらと他社の「導入事例」を知りたがる人がいます。 事例を参考にして意思決定をするというのですが、これではバイアスがかかった決断プロセスになります。なぜでしょうか。 牛尾システム部長と球田コンサルタントの会話を読んでみてください。 「社長に頭にきている」 ●球田コンサルタント:「相談とは何でしょう」 ○牛尾システム部長:「ちょっと頭にきているので話を聞いていただきたいのです」 ●球田コンサルタント:「頭に死球を受けたバッターのような気分、ということですか」 ○牛尾システム部長:「そういう意味ではないです。あなたは何でもかんでもベースボールに例えるそうですね」 ●球田コンサルタント:「大リーグで選手の育成に携わった期間が長いので」 ○牛尾システム部長:「そういう癖はなかなか抜けないでしょう。私もシステム屋の癖がついているのかもしれませんが」 ●球

    やたらと導入事例を知りたがる思考停止の人
  • ウナギを食べたい人たちの言い訳

    ウナギが不漁らしい。 毎日新聞によれば、 《絶滅危惧種ニホンウナギの稚魚シラスウナギが今期は極度の不漁で、国内外での漁獲量が前期の同じころと比べて1%程度と低迷している。漁は4月ごろまで続くが、このまま推移すれば過去最低の漁獲量となりかねない。--略--》ということのようだ(こちら)。 特に驚きはない。 むしろ、ニュースの第一報に触れて 「当然だろうな」 と思ったというのが正直なところだ。 さらにもう少し率直な感想を述べるなら、私は 「自業自得だよな」 という感慨を抱かずにおれなかった。 「ざまあみろ」 とまでは思わないものの、ニュース原稿の中で不漁を嘆いている関係者に対して、真摯な同情を寄せる気持ちにはならない。 というのも、このニュースは、かれこれ10年以上も前から、様々な立場の人々が異口同音に指摘し、予告し、警告し、懇願し、提言し、あるいは叱責罵倒非難問題提起してきた話題の延長線上に

    ウナギを食べたい人たちの言い訳
  • 企業の「内部留保」が4年で100兆円増加

    安倍晋三首相は経済界に対して、利益の増加分を賃上げなどに回すよう求め続けている。(写真:毎日新聞社/アフロ) 全産業の当期純利益は18.9%の増加 企業が事業から得た利益のうち、配当や設備投資などに使わずに蓄えとして手元に残している「内部留保」が増加を続けている。全国3万社あまりの企業を調査する財務省の法人企業統計が9月1日に発表されたが、それによると2016年度末の「内部留保」は406兆2348億円と、初めて400兆円を超え、過去最高となった。 安倍晋三首相は「経済の好循環」を実現するために、経営者らに対して、過去の内部留保や利益の増加分を賃上げや設備投資に回すよう協力を求め続けている。賃金はようやく上昇の兆しが見え始め、企業が稼いだ付加価値のうちどれだけ人件費に回したかを示す「労働分配率」は下げ止まったが、まだまだ儲けが十分に分配されているとはいえず、結果、内部留保の増加に結びついてい

    企業の「内部留保」が4年で100兆円増加
  • コメの生産性、伸びる米国と停滞する日本

    コメの生産性、伸びる米国と停滞する日本
  • ツシマヤマネコとの共存は「はてしない物語」

    ツシマヤマネコとの共存は「はてしない物語」
  • 国難は解散したあとに来る

    前回に引き続き選挙の話をするつもりでいる。 とはいえ、現時点で言えることは少ない。 予測なんてとてもできないし、現状分析さえおぼつかない。 それでもあえて選挙についての文章を書こうと思っているのは、主に記録のためだ。 もう少し丁寧に言えば、すべてが終わって結果が出た後に、何が起こっていたのかをあらためて振り返って考えるための材料として、現時点で見えていることを、なるべく見えているままの形で記録しておこうと考えている、ということだ。 一昨日までの状況は、昨日(9月27日の水曜日)になって一変した。 それで、何もかもわからなくなった。 以下、主だった政党別に、状況を整理しておく。 自民党の状況は、一週間前とそんなに変わっていない。 とはいえ、周辺の状況が一変したことで、この先、選ぶべき戦術には、大幅な修正が求められることになるだろう。 そもそも、今回の選挙は、安倍晋三首相の個人的な独走がもたら

    国難は解散したあとに来る
  • 米国研究機関が批判する水産庁の「科学」

    9月1日、韓国・釜山で開かれていた地域漁業管理機関「中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)」の北小委員会(NC)が閉会した。日米など10カ国・地域が太平洋クロマグロの資源管理などについて話し合う国際会議だ。クロマグロは高級寿司ネタのマグロとして親しまれているが、絶滅危惧種にも指定されている。 太平洋クロマグロの2014年時点の資源量は、漁獲がなかったと仮定した初期資源量のわずか2.6%(1万7000トン)と推定されている。これまでWCPFCでは「2024年までに4万1000トンまで資源量を回復」とする暫定目標で合意。日もこの目標を基に漁獲枠制度を始めていた。しかし、昨年末にWCPFCは長期目標を「2034年までに13万トンまで回復」とするようNCに要請した。 資源保護の目標を大きく引き上げるWCPFCの要請に日の水産庁は当初、「現在の規制でも十分」と反発。その後、態度を軟化させたも

    米国研究機関が批判する水産庁の「科学」
  • 生産性大国ノルウェーは幸せなのか?

    西部の漁業都市ベルゲンにある魚市場。氷の上に並ぶタラバガニは1kgあたり1万4000円。やはり物価は高い 「この国はとにかく人が少ない。だからサービスには人手をかけられず、おもてなしは期待できない。それに加えて、あらゆるモノがとても高く付く。日とは大違いだね」 8月上旬、「特集 独り負け ニッポン漁業」の取材でノルウェーに1週間ほど滞在した。北極圏の街・トロムソの取材で1日を共にした、政府系漁業団体のノルウェー人スポークスマンの言葉が今もなお頭に残っている。 ノルウェーの人口は約500万人。同じ国土面積を持つ日(1億2558万人)のたった25分の1しかいない。当然、スーパーに行っても店員はレジに1人か2人が待っているだけ。 高い生産性を支えるのは高い物価? そして、確かにノルウェーでは全てが高かった。ポテトチップスが1袋で500円。マクドナルドのセットは1500円。レストランでランチ

    生産性大国ノルウェーは幸せなのか?
  • 漁業は世界の成長産業、日本は宝の持ち腐れ

    漁業は世界の成長産業、日本は宝の持ち腐れ