→紀伊國屋ウェブストアで購入 第一次世界大戦中に民族自決が唱えられ、帝国から解放された民族を中心とした近代国民国家が成立して「めでたしめでたし」、という国民教育のための近代史が単純に語れないことが、本書からわかる。 オーストリア=ハンガリー二重帝国、ロシア帝国、オスマン帝国といった多民族社会のなかでマイノリティとして生きていた人びとのなかには、すぐに民族国家を思い描くことのできた人びともいれば、しばらくして思い描くことができた人びと、いつまでたってもまったく思い描くことができなかった人びとなどがいた。近代国民国家の形成に翻弄された人びとがいたにもかかわらず、EUの成立、グローバル化のなかで、その意味がなくなろうとしている。第一次世界大戦を契機として、近代とはなんであったのかを問うことのできる地域として東中欧があることを、本書は教えてくれる。 著者、野村真理は、つぎのように「はじめに」で述べ
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