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  • 『ケルベロス第五の首』(国書刊行会) - 著者:ジーン・ウルフ 翻訳:柳下 毅一郎 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    地球より彼方に浮かぶ双子惑星サント・クロアとサント・アンヌ。かつて住んでいた原住種族は植民した人類によって絶滅したと言い伝えられている。しかし異端の説では、何にでも姿を変える能力… 地球より彼方に浮かぶ双子惑星サント・クロアとサント・アンヌ。かつて住んでいた原住種族は植民した人類によって絶滅したと言い伝えられている。しかし異端の説では、何にでも姿を変える能力をもつ彼らは、逆に人類を皆殺しにして人間の形をして人間として生き続けているという…。「名士の館に生まれた少年の回想」「人類学者が採集した惑星の民話」「尋問を受け続ける囚人の記録」という三つの中篇が複雑に交錯し、やがて形作られる一つの大きな物語と立ちのぼる魔法的瞬間-"もっとも重要なSF作家"ジーン・ウルフの最高傑作。 物語の舞台となっているのは、人類が植民して二百年足らずの双子惑星サント・クロアとサント・アンヌ。かつてサント・アンヌには

    『ケルベロス第五の首』(国書刊行会) - 著者:ジーン・ウルフ 翻訳:柳下 毅一郎 - 豊崎 由美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『長江文明の発見―中国古代の謎に迫る』(角川書店) - 著者:徐 朝龍 - 藤森 照信による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    近年、急展開する長江流域の考古学調査により、「長江文明」の存在が明らかになってきた。稲作の起源や都市文明の成立を物語る古代遺跡の発掘成果が「黄河文明」=「中国文明」という伝統的な中… 近年、急展開する長江流域の考古学調査により、「長江文明」の存在が明らかになってきた。稲作の起源や都市文明の成立を物語る古代遺跡の発掘成果が「黄河文明」=「中国文明」という伝統的な中国文明史観を揺さぶる。幾千年もの間不当に軽視され、抹殺された大文明の実体にようやく光があたり、科学である考古学が驚異的な長江文明の姿を鮮やかに浮かび上がらせた。偏見に満ちた従来の中国文明史観に勇敢に挑む、衝撃の一書。 覆い隠された最初の文明に新しい光麦と米とどっちが生産性が高いかというと、答は米。麦とちがい連作ができるし、二毛作だって可能。味もいい。地球上で麦から米に変わった地域はあってもその逆はない、とも聞いたことがある。にもかか

    『長江文明の発見―中国古代の謎に迫る』(角川書店) - 著者:徐 朝龍 - 藤森 照信による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『戦争障害者の社会史―20世紀ドイツの経験と福祉国家―』(名古屋大学出版会) - 著者:北村 陽子 - 北村 陽子による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:北村 陽子出版社:名古屋大学出版会装丁:単行(366ページ)発売日:2021-03-10 ISBN-10:4815810176 ISBN-13:978-4815810177 内容紹介: 二度の大戦により、300万人におよぶ大量の戦争障害者を生み出したドイツで、国家に奉仕した「英雄」はどのようなその後を生きたのか。公的支援や医療の発達、義肢や盲導犬などの補助具の発展と、他方での差別や貧困、ナチへの傾倒などの多面的な実態を丁寧に描き、現代福祉の淵源を示す。 甚大な被害を生み出した二度の世界大戦。戦争で傷を負った人たちは、その後の時代をどのように生きたのでしょうか。300万人におよぶともいわれる20世紀ドイツ戦争障害者に焦点をあてた著作、北村陽子『戦争障害者の社会史』の刊行によせて、書き下ろしの自著解説を公開いたします。 パラスポーツから女性解放運動まで、〈英雄〉は戦後をどう生きたのか

    『戦争障害者の社会史―20世紀ドイツの経験と福祉国家―』(名古屋大学出版会) - 著者:北村 陽子 - 北村 陽子による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『聖母の晩年―中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜―』(名古屋大学出版会) - 著者:桑原 夏子 - 桑原 夏子による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:桑原 夏子出版社:名古屋大学出版会装丁:単行(904ページ)発売日:2023-12-27 ISBN-10:4815811415 ISBN-13:978-4815811419 内容紹介: 聖書には、彼女がどのように生を終えたかについての記述がない。しかし、マリア崇敬の高まりとともに、外典や伝承などにもとづき晩年伝の多様な図像が生み出されてきた。地中海圏の聖堂壁画からチマブーエやドゥッチョ、ジョットらの作品までをその背景とともに跡づけ、知られざる聖母の美術史をよみがえらせる。 彼女はどのように生を終えたのか――聖書には記されていない「聖母マリアの最期」をめぐって、歴史上さまざまなイメージが生み出されてきました。その知られざる美術史を探究した『聖母の晩年』がこのたびついに刊行。今回は、著者・桑原夏子氏による書き下ろしの自著解説を特別公開いたします。 聖書には記されていない、聖母マリアの最

    『聖母の晩年―中世・ルネサンス期イタリアにおける図像の系譜―』(名古屋大学出版会) - 著者:桑原 夏子 - 桑原 夏子による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『ゴーレム』(白水社) - 著者:グスタフ マイリンク 翻訳:今村 孝 - 牧 眞司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:グスタフ マイリンク翻訳:今村 孝出版社:白水社装丁:新書(429ページ)発売日:2014-03-12 ISBN-10:456007190X ISBN-13:978-4560071908 グスタフ・マイリンク(Gustav Meyrink 1868-1932)ウィーン生まれの作家。銀行業に従事したのち創作をはじめ、おもにプラハで活動した。ホフマンやポオの伝統につらなる幻想小説の書き手として知られ、とりわけ『ゴーレム』(1915)の出版はセンセーショナルな事件だったと言われる。そのほかの著作に『緑の顔』(1916)、『西の窓の天使』(1920)などがある。また後年、ホルヘ・ルイス・ボルヘス選の短篇集『ナペルス枢機卿』には、三作が収録されている。 introduction『ゴーレム』の舞台はプラハのユダヤ街、いわゆるゲットーである。この地区は一八九五年から「衛生化」がはじまり、建物の近代

    『ゴーレム』(白水社) - 著者:グスタフ マイリンク 翻訳:今村 孝 - 牧 眞司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『ユニヴァーサル野球協会』(白水社) - 著者:ロバート・クーヴァー 翻訳:越川 芳明 - 牧 眞司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ロバート・クーヴァー翻訳:越川 芳明出版社:白水社装丁:新書(370ページ)発売日:2014-01-18 ISBN-10:4560071896 ISBN-13:978-4560071892 ロバート・クーヴァー(Robert Coover 1932- )アメリカの作家。The Origin of the Brunists(1966)が、もっともすぐれた処女長篇に与えられるウィリアム・フォークナー賞を受賞。第二長篇『ユニヴァーサル野球協会』(1968)と短篇集Pricksongs & Descants (1969)によって、バース、バーセルミ、ピンチョンらと並ぶ、先鋭的なアメリカ文学の書き手として注目されるようになる。そのほかの著作に、『女中(メイド)の臀(おいど)』(1982)、『ジェラルドのパーティ 』(1986)などがある。 introductionウェブをうろうろしていたら、「

    『ユニヴァーサル野球協会』(白水社) - 著者:ロバート・クーヴァー 翻訳:越川 芳明 - 牧 眞司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『患者の話は医師にどう聞こえるのか』(みすず書房) - 著者:ダニエル・オーフリ 翻訳:原井宏明,勝田さよ - 養老 孟司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ダニエル・オーフリ翻訳:原井宏明,勝田さよ出版社:みすず書房装丁:単行(320ページ)発売日:2020-11-11 ISBN-10:4622089513 ISBN-13:978-4622089513 あますところなく聞く大切さ著者は米国最古の公立病院とされるベルビュー病院勤務で、特定分野の専門医ではなく、プライマリー・ケアにかかわる女医で、書は医師と患者間の話し合いに長年にわたって強い関心を持ち続けた結果をまとめた研究である。 とはいえ、ふつうなら統計的に行われる社会学的な研究ではなく、その種の研究は引用されているだけで、著者自身が直接にかかわった患者さんたちの印象的なエピソードが、いわば文学的に記されている。その点が一般の読者にとっても興味深く、読みやすいであろう。 書のタイトルは逆転してもいいわけで、それなら医師の話は患者にどう聞こえるか、ということになる。医師がとくに苦労

    『患者の話は医師にどう聞こえるのか』(みすず書房) - 著者:ダニエル・オーフリ 翻訳:原井宏明,勝田さよ - 養老 孟司による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『歴史教育の比較史』(名古屋大学出版会) - 著者:近藤 孝弘 - 近藤 孝弘による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:近藤 孝弘出版社:名古屋大学出版会装丁:単行(328ページ)発売日:2020-12-17 ISBN-10:4815810117 ISBN-13:978-4815810115 内容紹介: 「歴史認識」を語る前に――。なぜ歴史をめぐって国どうしが争うのか。世界各地で歴史はどのように教えられてきたのか。歴史家と教育学者の共同作業により、自国史と世界史との関係を軸に、四つの地域の現在までの「歴史教育」の歴史を跡づけ、歴史とは何か、教育とは何かを問い直す、未曾有の試み。 なぜ高校では世界史と日史が分けて教えられるのか、疑問に思ったことはありませんか。2000年代後半に発覚した「世界史未履修問題」は覚えていますか。2022年に導入が予定される新科目「歴史総合」のことはどれくらいご存じでしょうか―― 歴史教育も時代とともに変化しています。それでは、世界に目を向けてみると、自分の国や世界の歴史

    『歴史教育の比較史』(名古屋大学出版会) - 著者:近藤 孝弘 - 近藤 孝弘による本文抜粋 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『職業別 パリ風俗』(白水社) - 著者:鹿島 茂 - 鹿島 茂による前書き | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:鹿島 茂出版社:白水社装丁:新書(288ページ)発売日:2020-05-08 ISBN-10:4560721343 ISBN-13:978-4560721346 フランス文学に初めて接したとき、その実態がよく掴めない職業・身分がいくつかあることに気づいた。たとえば代訴人、復習教師、高級娼婦。これらは日には存在しないため、たとえ説明されたとしてもイメージがみにくい。また、公証人、免許医、年金生活者、乳母といった職業は日にも近似的な職業・身分が存在する(あるいは存在した)が、日のそれとは微妙に違っているように感じた。ただ別にこれらの職業のことがわからなくても、ストーリー自体を追うことは可能で、違和感や疑問は宙づりにしたまま小説を読み進めることはできる。 普通の読者なら、これでいいかもしれない。しかし、フランス語の語学教師になって学生相手に『ペール・ゴリオ』や『レ・ミゼラブル』の訳読

    『職業別 パリ風俗』(白水社) - 著者:鹿島 茂 - 鹿島 茂による前書き | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    florentine
    florentine 2020/05/24
    “この上機嫌さは同時に「自分はいま絶対に人の役に立つ本を書いているぞ」という確信からも来ている。自分のための努力が「世のため、人のため」にもなるというのが理想であるからだ。”
  • 『蜂起 〈インティファーダ〉: 占領下のパレスチナ 1967-1993』(東京大学出版会) - 著者:鈴木 啓之 - 鈴木 啓之による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:鈴木 啓之出版社:東京大学出版会装丁:単行(400ページ)発売日:2020-03-28 ISBN-10:4130363018 ISBN-13:978-4130363013 内容紹介: 1987年にパレスチナでなぜイスラエルに対する民衆蜂起(インティファーダ)が起きたのか? パレスチナ人の抵抗の歴史と蜂起の背後にあった構造的な変化を,さまざまな史料を渉猟しスリリングに描き出す.パレスチナ問題に新たな視角を提供する画期的な論考.【第9回東京大学南原繁記念出版賞受賞作】 東京大学出版会が創設した「東京大学南原繁記念出版賞」の第9回受賞作である『蜂起〈インティファーダ〉』が3月に刊行されました。この刊行に際して著者の鈴木啓之先生の解説を特別公開します。 パレスチナではなぜイスラエルに対する民衆蜂起が起きたのか? 第9回東京大学南原繁記念出版賞受賞作『蜂起〈インティファーダ〉』刊行に際して『

    『蜂起 〈インティファーダ〉: 占領下のパレスチナ 1967-1993』(東京大学出版会) - 著者:鈴木 啓之 - 鈴木 啓之による自著解説 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 歴史に残る名書評、名時評 その1 永井荷風×谷崎潤一郎 - 鹿島 茂によるコラム | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    書評ないしは文芸時評が大きな力を持ち、新たな才能を誕生させたり、忘れさられようとしていた作家を復活させることがある。それどころか、新しい文学や思想が生まれるための助産婦の役割を果たすことがある。 いや、正確にはそうした時代がかつてあったというべきかもしれない。なぜなら、残念ながら、現在、書評や文芸時評がそのような大きな役割を演じているとはとうてい思えないからである。 新聞や雑誌には書評欄や文芸時評欄がいまでもあるが、それが多くの読者に読まれ、を買うときの指標として使われているとは、正直なところ、 言い切ることができない。 つまり、現在という時代は、批評ジャーナリズムが来の役割を果たしてはいないのである。 その原因は複雑で、一概にこれとは明示できないが、一つだけ確実に言えるのは、こと文芸に関していえば、批評性を有する作家が少なくなってきたことだろう。つまり、批評家としても才能を持つ作家が

    歴史に残る名書評、名時評 その1 永井荷風×谷崎潤一郎 - 鹿島 茂によるコラム | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房) - 著者:岡 真理 - 沼野 充義による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:岡 真理出版社:みすず書房装丁:単行(304ページ)発売日:2018-11-17 ISBN-10:4622087472 ISBN-13:978-4622087472 すべては想像から始まる現代アラブ文学を専門とする著者による、パレスチナ問題をめぐるエッセー集である。封鎖が長く続き悲惨な状況に陥っている現代のガザのことを考えただけでも、明るい内容になるわけがないが、それでも希望に貫ぬかれているところが心を打つ。書は、私たちが普通「文学」と考えるものについて論ずる部分は少ないが、未来を切り開く想像力の営みこそが文学だということを教えてくれる。 特に際立っている著者の姿勢は、ともかく現場に足を運んで、自分で見聞し、現地の人々と直接話をすること。分厚い辞書をひきながら机に向かって静かにを読む、といった研究者の姿からはほど遠い。書はある意味では、エジプト留学時代から数えて三〇年以上にな

    『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房) - 著者:岡 真理 - 沼野 充義による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『国定忠治の時代―読み書きと剣術』(筑摩書房) - 著者:高橋 敏 - 五味 文彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:高橋 敏出版社:筑摩書房装丁:文庫(286ページ)発売日:2012-12-01 ISBN-10:4480430148 ISBN-13:978-4480430144 内容紹介: 上州の博徒・国定忠治が生きた時代は、社会の大きな転換期でもあった。養蚕業の発展によりもたらされた富の蓄積が、文人結社・手習塾などの興隆や、女性たちの自立を促し、やがては世の中を動かす原動力ともなっていったのである。書はそうした時代の庶民の息遣いを、豊富な古文書と丹念なフィールドワークをもとに描き出した意欲作といえる。 仁侠に斬り込む歴史学講談や浪曲、小説のなかで活躍する人物の実像を探るのはいたって難しいものだ。ある固定したイメージから逃れるのが困難なこと、そもそも関係史料が少なくて質も良くないことが原因である。 しかし実像の一端に手掛かりができると、意外な一面がくっきりと浮き上がって見えてくる。作られたイメー

    『国定忠治の時代―読み書きと剣術』(筑摩書房) - 著者:高橋 敏 - 五味 文彦による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    florentine
    florentine 2018/12/08
    「入り口は三つ。一つは忠治を生んだ上州における養蚕地帯の商品経済。稲作中心の世にあって、畑作により金を生んで、幕藩体制を突き崩さんばかりのエネルギーを秘めた地帯の特質。」
  • ウンベルト・エーコ(うんべると・えーこ) | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    ウンベルト・エーコ(Umberto Eco, 1932年1月5日 - 2016年2月19日)は、イタリアの小説家、エッセイスト、文芸評論家、哲学者、記号学者。イタリア共和国功労勲章受章者。1980年に発表された画期的歴史小説『薔薇の名前(lI nome della rosa)』の著者として最もよく知られる。同作品はフィクションの記号論的分析、聖書分析、中世研究、文学理論の要素を盛り込んだ知的ミステリーである。後に発表した小説作品には、『フーコーの振り子(Il pendolo di Foucault)』、『前日島(L'isola del giorno prima)』などがある。2010年に上梓した『プラハの墓地(Il cimitero di Praga)』はベストセラーとなった。 エーコは学術書や論文、児童書、エッセイなども著した。サンマリノ共和国大学コミュニケーション学科創立者、ボローニャ

    ウンベルト・エーコ(うんべると・えーこ) | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    florentine
    florentine 2018/09/03
    あとで。まだ『プラハの墓』は読んでないのだ。
  • 宮下志朗ほか訳『フランス・ルネサンス文学集1』足立巻一『やちまた』 - 池内 紀による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    未知なるがゆえに生まれる創造/想像力十六世紀のフランスにアンブロワーズ・パレという医者がいた。床屋外科医より始めて国王の首席外科医になったのだから、それなりの人物だったのだろう。その人が晩年に「怪物と驚異について」を著した。計五十七点の図解つきで訳され、『フランス・ルネサンス文学集1』に収めてある。 図をながめているとすぐにわかるが、中国の『山海経(せんがいきよう)』、あるいはボルヘスの『幻獣辞典』を思い出させる。人間の顔をもつ鳥、頭がひとつの双生児、人頭魚身の生きもの……。思い出によると魯迅(ろじん)は幼いころ、宝の書として『山海経』をたのしんだようだが、空想好きの少年が、いろんな生きものの部分を組み合わせると、よく似た怪物のカタログができるだろう。 パリの元医者の場合は空想でも組み合わせでもなく、つねに原因があって、その結果として生じた異形の者たちだという。だからフシギの現象を引き起こ

    宮下志朗ほか訳『フランス・ルネサンス文学集1』足立巻一『やちまた』 - 池内 紀による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『銀河ヒッチハイク・ガイド』(河出書房新社) - 著者:ダグラス・アダムス 翻訳:安原 和見 - 大森 望による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ダグラス・アダムス翻訳:安原 和見出版社:河出書房新社装丁:文庫(302ページ)発売日:2005-09-03 ISBN-10:4309462553 ISBN-13:978-4309462554 内容紹介: 銀河バイパス建設のため、ある日突然、地球が消滅。どこをとっても平凡な英国人アーサー・デントは、最後の生き残りとなる。アーサーは、たまたま地球に居た宇宙人フォードと、宇宙でヒッチハイクをするハメに。必要なのは、タオルと"ガイド"-。シュールでブラック、途方もなくばかばかしいSFコメディ大傑作。 宇宙の究極の問い人はなぜ生きているのか? 宇宙はなぜ存在するのか? そういうことをしじゅう考えてる子供はSFにハマりがちですが、この究極の問いに驚くほど明快な答えを出したSFが存在する。バカSF歴史に燦然(さんぜん)と光り輝く大傑作、ダグラス・アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』である。ウソ

    『銀河ヒッチハイク・ガイド』(河出書房新社) - 著者:ダグラス・アダムス 翻訳:安原 和見 - 大森 望による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    florentine
    florentine 2018/04/05
    このTLのひとたちはなんのかんのと読んでそうな気もするけど、まだのひといたらメチャクチャおすすめするよ☆
  • 『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』(集英社) - 著者:堀田 善衛 - 出口 裕弘による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:堀田 善衛出版社:集英社装丁:単行(464ページ) ISBN-10:408774325X ISBN-13:978-4087743258 内容紹介: 17世紀フランスのモラリストの生涯と思想。17世紀、争乱のフランス。屈指の名門貴族に生まれ、武人として戦闘と恋愛と陰謀と失意に明け暮れたフランソア・ド・ラ・ロシュフーコー。戦いと陰謀の渦より身を引き、文人として稀有の才を発揮する後半生。「二ツ折りの紙」のように折り重なったラ・ロシュフーコーの波瀾に富んだ生涯を、文明と歴史の変容を見すえつつ、練達の筆が追う。 陰謀と裏切りを語る”利己的な遺伝子(セルフィッシュ・ジーン)”という言葉が流行し、定着した。二十世紀も末になって登場した科学用語である。十七世紀のラ・ロシュフーコー公爵は、自己愛(アムール・プ ロプル)を人間研究の中心に据えた。陰謀と裏切りが渦巻くフランス宮廷に生きた公爵の自然な選択

    『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』(集英社) - 著者:堀田 善衛 - 出口 裕弘による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『収容所のプルースト』(共和国) - 著者:ジョゼフ・チャプスキ 翻訳:岩津 航 - 高遠 弘美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:ジョゼフ・チャプスキ翻訳:岩津 航出版社:共和国装丁:単行(193ページ)発売日:2018-01-27 ISBN-10:4907986424 ISBN-13:978-4907986421 精神の荒廃から自分を守るプルーストを読むとは読書の意味を絶えず私たちに問いかけることにほかならない最初に個人的回想に筆を割くのをお許し頂きたい。一九八七年に刊行された書の原書の初版をパリの書店で買ったのが一九九一年。だが迂闊にも当時はこのの重要さに気がつかなかった。それが魂が震えるほどに感動して読み終えたのは、二〇一二年、パリでポーランド出身のさる大使夫人に勧められて、二〇一一年の増補改訂版を入手したときだった。さっそく当時新聞に連載していたエッセイに書き、拙訳『失われた時を求めて』第三巻の解説でも九ページにわたって紹介した。プルーストに正面から向かっているときだからこそ、著者チャプスキの心境

    『収容所のプルースト』(共和国) - 著者:ジョゼフ・チャプスキ 翻訳:岩津 航 - 高遠 弘美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『エラスムス――人文主義の王者』(岩波書店) - 著者:沓掛 良彦 - 水野 和夫による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:沓掛 良彦出版社:岩波書店装丁:単行(ソフトカバー)(256ページ)発売日:2014-05-17 ISBN-10:4000291327 ISBN-13:978-4000291323 内容紹介: デシデリウス・エラスムス(一四六九‐一五三六年)は、一六世紀を「エラスムスの世紀」と呼ばしめるほどヨーロッパの知的世界に君臨し、決定的な影響を与えた。『痴愚神礼讃』をはじめ膨大な作品を遺し、古典学者や平和主義者など日ではあまり知られていないさまざまな姿をもった"普遍的文人"の全貌に迫る、初めての格的概説書。 現代を予見した「もの書く男」エラスムスはルターとの対比で語られることが多い。行動派で勇猛果敢な後者に対して、前者は思索的で優柔不断な人と、どちらかといえばエラスムスに分が悪い。しかし、書を読むと、こうしたイメージは一変する。 「もの書く男」としての生涯を貫いたエラスムスは、当時の絶

    『エラスムス――人文主義の王者』(岩波書店) - 著者:沓掛 良彦 - 水野 和夫による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
  • 『西條八十全集〈第17巻〉随想・雑纂』(国書刊行会) - 著者:西條 八十 - 高遠 弘美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:西條 八十出版社:国書刊行会装丁:単行(610ページ) ISBN-10:433603317X ISBN-13:978-4336033178 若々しき老成今回の全集を一冊づつ追ひかけてきて、今更ながらに西條八十の旺盛多彩な文学活動に驚嘆してゐるのだが、なかでも『アルチュール・ランボオ研究』と『訳詩』、それに『童謡』の巻には、当初予想してゐた以上の感銘を受けたことを告白しておきたいと思ふ。 西條八十が世を去った一九七〇年、当時早稲田の文学部に入学したてで、まだ村上菊一郎先生や新庄嘉章先生の授業を受けてゐなかつた一学生としては、初級のフランス語の授業で西條八十ならびにその死について耳にすることはなかつた。西條八十は日夏耿之介と同じく早稲田の大先輩であり、詩人であると同時に、夥しい数の歌謡曲や童謡の作者だといふことを知つてはゐても、自分が進むことになる仏文科教授であつたことやすぐれた訳詩を

    『西條八十全集〈第17巻〉随想・雑纂』(国書刊行会) - 著者:西條 八十 - 高遠 弘美による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    florentine
    florentine 2018/01/26
    “大正期に少女時代を送つた、明治生まれの亡母にとつて、西條八十の作つた童謡はわけても親しみを覚えるものであつたらしい。亡母が歌つてくれた八十作の童謡はいまなほ私の耳朶に響く”