人文系の学科に籍を置く大学生・大学院生や,現在大学に所属してない方など,物理のフォーマルな教育を受ける機会がない(あるいはなかった)方で,大学レベルの物理を学びたいと思っている方は多いと思う.しかし,カリキュラムを組んでくれる先生や,どのように学習を進めればいいのかについて情報交換してくれる友人・先輩がいない環境で,ゼロから物理を学ぶのは非常に難しい.知識がない状態では,あるトピックについて学ぶ上でどのような予備知識が要求されるのか分からないし,選んだ教科書が自分の知識レベルに合っているかどうかを判別することも難しいからだ.その結果,自分の知識レベルでは太刀打ちできない本を読もうとして,結局挫折することになる(私もそのような経験を何度かした). この読書案内は,物理をこれから学ぼうと思う人が直面するこの最初の大きなハードルを乗り越える一助になればと思って書いた.もちろん人文系の学生に限らず