●イスラエル政府は、「黒い九月」の活動にどう反応するかを決める「極秘委員会」を設置した。 極秘委員会はメイア首相とダヤン国防相が共同議長を務めた。 そして、この極秘委員会は、歴史的な決定を下した。「ミュンヘン・オリンピック襲撃事件」の計画・支援・実行もしくは間接的に関与した「黒い九月」のメンバーを“全て”暗殺する決定だった。徹底報復を決意したメイア首相は、この任務をイスラエル対外諜報局「モサド」に命じた。 こうして「神の怒り作戦」と名付けられた復讐が始まったのである。 ゴルダ・メイア 白ロシアのピンスク地区出身で、 イスラエルの第4代首相を務めた ●モサドのツヴィ・ザミル長官は、作戦部局の上級機関員のマイク・ハラリらを呼び、暗殺部隊の指揮を命じた。ハラリは、選りすぐった男女機関員でチームを構成し、その欧州コマンド基地をパリに設置した。 さらにイスラエル軍は、レバノンにジェット機、戦車、30