◇日本国史学会設立にあたってのご挨拶 終戦直後、日本の歴史学界には、占領下の中で、民主主義の名のもとに、マルクス主義経済史観が非常な勢いで入りこんできました。 日本の歴史学はその中で形成されたといっていいでしょう。 現在では直接「マルクス主義」という名を聞くことはまれになりましたが、その残滓は確実に残っております。多くの学会の歴史観の基本となっており、そのため今の若手研究者でも、無意識のうちに、特定の方向性に導かれてしまっております。 したがって、それらと史観を異にする学会がつくられなければならない、唯物論的な経済史観、階級闘争史観とは異なった日本史観による、あらたな日本の国史を形成し、議論する場としての学会をつくらなければならない、と強く感じ、「日本国史学会」を創設するに至った次第であります。 日本国史学会 発起人 田中英道(東北大学名誉教授) 小堀桂一郎(東京大学名誉教授) 中西輝政(