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ブックマーク / ukmedia.exblog.jp (11)

  • パナマ文書はどうやって世に出たのか | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (ニーマン・ラボのサイトから) パナマの法律事務所「モサク・フォンセカ」から流出した、金融取引に関する大量の内部文書。これを元に「パナマ文書リーク」の報道記事が続々と出ている。 いったいどうやって情報がメディアの手に渡り、各社の報道につながったのか。 ウェブサイト、ニーマン・ラボ(4月4日付)とワイヤード(4月4日付)の記事から、要点をまとめてみたい。 法律事務所の内部文書は1977年から2015年12月までの期間のもので、1150万点に上る。文書のサイズは2・6テラバイトに及ぶという。ウィキリークスの手によって世に出た米外交文書リーク(「ケーブルゲイト」、2010年)が1.73ギガバイトであったので、これの数千倍になるという。 1150万の文書ファイルには480万の電子メール、100万の画像、210万のPDFが入っていた。 経緯は 2014年末、ある人物が南ドイツ新聞の記者に暗号化された

    パナマ文書はどうやって世に出たのか | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • ラマダンのアヤーン・ヒルシ・アリ評 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (捕鯨の件で、皆さんから、貴重な意見をいただき、ありがとうございました。 せめてエコノミストの記事ーー商業捕鯨を支持しているーーを後で載せたいと思いながら、日が過ぎていることをお許しください。この記事を見逃した方のために、下にコピーしておきます。また、この件に関しては、少なくとも英国ではグリーンピースがかなり力を入れていたようです。) オランダの政治家アヤーン・ヒルシ・アリ氏は、イスラム教徒(元?)でありながら、イスラム教が後進的だとして批判している。もともとソマリアからの難民で、オランダに来て、オランダ国籍を取得し、国会議員になった。 ところが、難民申請の時に、年齢や難民となった理由など、虚偽の申告をしていた、として、先日、国籍そのものがはく奪されるのでは、という事態が起きていた。 イスラム教批判者として知られるヒルシ・アリ氏。前にここで何度も書いているが、「服従」という映画の脚を書い

    ラマダンのアヤーン・ヒルシ・アリ評 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 欧州「忘れられる権利」判決の行方 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (月刊誌「メディア展望」4月号==サイトからダウンロード可=の筆者原稿に補足しました。数字などが原稿を書いた当時の3月中旬のものであることにご留意ください。) 「忘れられる権利」(right to be forgotten)という表現が、このところ大きな注目を浴びている。 インターネットが普及した現在、いったんネット上に情報がアップロードされてしまうと完全に削除することは困難だ。「忘れてくれない」のがネットの特質とも言える。しかし、個人情報やプライバシー保護の観点から何らかの是正措置があるべきという声が高まってきた。 ネット上の個人情報の保護について画期的な判決が出たのは、昨年5月だ。欧州連合(EU)の最高裁判所となる欧州司法裁判所(CJEU)が米検索大手グーグルに対し、EU市民の過去の個人情報へのリンクを検索結果に表示しないように命じる判決を下したのである。 「忘れられる権利」をめぐって

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  • 仏週刊紙襲撃事件 -欧州の価値観の普遍性を問う | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    追加:先ほど(12日)、フランス24(テレビ局)を見ていたら、議論のコーナーがあり、昨日のデモを自己批判していた。いろいろな意見が出ていたが、すでに「表現の自由」の話ではなくなっている。 欧州の中のムスリム(イスラム教徒)の存在、非ムスリムの国民の存在、「フランスは世俗国家だ」という点を「押し付けている」のではないかという批判などなど。含蓄に富むコーナーだった。 *** 7日、週刊紙「シャルリ・エブド」(「週刊チャーリー」)のパリ社で、風刺画家などを含む12人が殺害される事件が起きた。ここ数日、このニュースをずっと追っている。 これを「イスラム過激主義者によるテロ」とひとまずくくるとしても、この事件やその影響・余波についてはいろいろと思うことがありすぎてどう書いたらいいのか分からない状況にいる。 欧州社会の「表現や言論の自由」をめぐり、「イスラム教過激派(原理主義者?)が何らかの抗議をす

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  • 第1次大戦勃発から100年を迎えた欧州 ー各国で記念行事、英国では参戦理由を問う | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (以下は新聞通信調査会発行の月刊「メディア展望」=7月1日号=に掲載された、筆者記事に補足したものです。時制を過去形にしている部分があります。敬称略。) *** 第1次世界大戦の勃発から今年で100年になる。主戦場となった欧州各国では、今年に入ってからさまざまな記念行事が進行中だ。新聞は特集記事を組み、テレビやラジオは特別番組を放映している。大戦のきっかけとなった「サラエボ事件」(1914年6月28日)、オーストリア・ハンガリー帝国によるセルビアへの宣戦布告(7月28日)、ドイツロシア、フランス、英国の宣戦布告(8月上旬)といった大きな節目の時に向けて盛り上がりを見せている。 第1次大戦は連合国側(フランス、英国、ロシア、イタリア、米国、日、セルビア、中国など)と中央同盟国側(ドイツ、オーストリア=ハンガリー、オスマン帝国、ブルガリアなど)との間の戦いだが、戦場は中東、アフリカ、アジア

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  • イラク戦争開戦に踏み切った英国で、何度も行われた検証作業(下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (上)についてこちらをご覧ください。 バトラー調査が諜報情報を吟味する ハットン委員会の報告書が「何故イラク戦争を開始したのか?」の疑問に答えてくれると思った国民は、落胆した。そこで、戦争前の政府の情報活動を検証するため、政府は新たに調査を開始することになったーこれもまた、税金を使っての調査である。同時期に、米国でもブッシュ政権がイラク戦争にかかわる諜報情報についての調査委員会を立ち上げる動きを見せていた。 政府が元官房長官のバトラー卿に命じる形で始まった調査は正式には「大量破壊兵器の情報の見直し」という名前だったが、通称「バトラー調査」と呼ばれるようになった。先のハットン委員会同様、政府が命じた調査であるので、国税が運営資金だ。 調査会のメンバーは政府が主要野党との交渉で最終決定した。バトラー卿に加え、労働党議員(当時は与党)、保守党議員(当時は野党)、元国防省高官、後に別の委員会を率い

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  • イラク戦争開戦に踏み切った英国で、何度も行われた検証作業(上) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    民間放送連盟の研究所が出している「海外調査情報 VOL9」(2014年3月)に、「国家機密と報道」というテーマで、英国のメディアについて書く機会を得た。 ブログでの公開の承諾をいただいたので、その一部(後半)を掲載したい。なぜ後半のみかと言うと、前半は英国や欧州での国家機密の維持の仕方や報道の取り組みなどの話で、このブログですでに同様の内容を出しているからだ。 集団的自衛権をめぐって議論が発生したことで、日でも戦争についての関心が高まっている。英国は常に戦争をしてきた国だ。なぜイラク戦争の開戦を防げなかったのか、国内にどんな世論があり、メディアはどうしたかについて書いてみた。 英国の報道機関と規制 まず最初に、メディア状況について若干説明したい。 英国では放送業、通信業(ネット企業含む)はOfcomが監督している。事前に規制をかけるのではなく、番組内容が不適切であった、違法行為があっ

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  • 「20世紀はここで始まった」 サラエボ事件の意味を解き明かす会議を開催した教授に聞く | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    第1次大戦勃発から100年となった今年6月末、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで「サラエボ事件を俯瞰する -1914年の事件、物語、記憶」と題された国際会議が5日間の日程で開催された。 「サラエボ事件」とは、私たちが学校で教わったあの事件だ。オーストリア・ハンガリー帝国(当時ボスニア・ヘルツェゴビナは帝国の一部)の次期皇帝となるはずだったフェルディナント大公夫が、サラエボを表敬訪問中に暗殺された。暗殺グループがセルビア政府と関係があったことが発覚し、オーストリアは7月末、セルビアに最後通牒を突きつけた後で、宣戦布告。8月上旬には欧州主要大国が次々と互いに宣戦布告し、大規模な戦争に発展した。 サラエボ事件は20世紀でもっとも議論が行われ、神格化された事件の1つともいわれている。当に第1次大戦の原因と言い切れるのか、誰が悪者あるいは犠牲者なのか、暗殺者の真意は何かなど、誰に聞くかでそ

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  • 英民放チャンネル4が架空の人物「データ・ベビー」を作ってわかったこと | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (「データ・ベビー」のウェブサイト) 英民放チャンネル4(フォー)が、「データ・ベビー」を使って、様々な面白い実験を行っている。 データ・ベビーとは架空の人物だ。番組制作者がネット上に「レベッカ・テイラー」という女性を作り上げ、彼女のデジタル上の行動がどんな波紋を呼び起こすのかを調べることで、ネットを使う私たちの生活について考える、という仕組みだ。 この件については、読売オンラインのコラム(ネットの裏をあぶり出す「データ・ベビー」)で一通り、書いている。 当時、番組のテクノロジー担当編集者ジェフ・ホワイト氏とジャーナリストのセーラ・スミス氏に取材して話を聞いた。記事の中には一部しか入れることができなかったので、以下に会話の大部分を紹介したい。日テレビ界の制作者、あるいはテクノロジー関係の方に、何らかのヒントになればと思う。 *** なぜデータ・ベビーを作ろうとしたのか? ジェフ・ホワイ

    英民放チャンネル4が架空の人物「データ・ベビー」を作ってわかったこと | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 反戦運動家ブライアン・ホーさん、亡くなる | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    英議会の建物前にある、「パーラメント広場」で、2001年から反戦ストを行ってきたブライアン・ホー(Brian Haw)さんが、肺ガンで亡くなった。家族が19日、明らかにした。 英米の外交政策に対する抗議運動は、ホーさん自身が広場に居座って(寝泊りして)反戦を訴えるという独自のものだった。次第にホーさんの周りには反戦のポスターやメッセージなどが陳列されるようになり、ホーさんは様々な取材に応じた。英国の反戦の、そして抗議行為やデモを行うためのシンボルと見なされるようになった。 この広場は反戦に限らず、さまざまな抗議運動が行われる場所でもあり、議会の真向かいにあるので、議員らがメディアの取材を受けるときにも、よく使われてきた。 ロンドン市当局や政府側にとっては、実に目障りな存在で、ロンドン警察は何度もホーさんを広場から立ち退かせようとしてきた。時には展示物を撤去する行為を行うこともあった。ホーさ

    反戦運動家ブライアン・ホーさん、亡くなる | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
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