レニ・リーフェンシュタールと住井すゑ 大西 赤人 『レニ』(一九九三年度ドイツ・ベルギー合作、脚本・監督=レイ・ミュラー)は、ナチス・ドイツへの協力者という拭いがたい汚名を背負ったあまりにも有名な人物――レニ・リーフェンシュタールを描いたドキュメンタリーである。映画は、ミュラー監督によるレニへのインタビューを軸として、彼女の出演した映画、彼女の監督した作品――ナチス党大会を描いた『意志の勝利』、ベルリン・オリンピックを描いた『オリンピア(民族の祭典・美の祭典)』の一部、あるいは様々な当時のニュース映像などをふんだんに挟み込みながら形作られている。 レニは、はじめ、ダンサーとしてデビューする。舞台は好評を博していたが、彼女は膝を傷め、ダンサーとしての活動を諦める。その後、彼女は、当時(一九二〇年代~三〇年代)人気監督だったアーノルド・ファンクの映画を見て感動し、彼の作品への出演を願い出る。映