論文に書かれている通りの方法で実験を行っても、結果を再現できない「再現性の危機(reproducibility crisis)」。これは学術界にとって深刻な問題です。また、まったく別の問題であるにも関わらず「研究不正の有無(scientific misconduct)」と混同され、問題が深刻化することも多々あります。再現性の危機は、研究室で行われた多くの研究の再現実験あるいは追試で同じ結果が再現できないことに端を発していますが、再現実験で同じ結果が得られなければ、科学研究としての価値が薄れるだけでなく、その原因が研究不正にある可能性が高いため、結果として複数の名だたる学術雑誌(ジャーナル)が論文を撤回することになってしまうのです。撤回される論文の数が増えていること含め、学術界は危機感をつのらせています。 ■ 栄養学第一人者の辞職 2018年9月20日、コーネル大学の教授であり、栄養学の研究
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