「解放の思想」の原点へ 現実に立ち向かう武器としての批判理論 批判的社会理論を疎外と物象化を中心に、生きるための「解放の思想」として、現実に立ち向かうための武器として再生させる画期的入門 >訳者解説 「批判理論」は、1920年代から30年代にかけて、フランクフルトの社会研究所に集まった思想家たちによって打ち立てられた。所長をつとめたホルクハイマー以下、アドルノ、フロム、マルクーゼ、ベンヤミン、ハーバーマスと、その名を挙げていけば、そこに20世紀社会科学の荘厳な群像劇が立ち現れる。 彼らの活動が「批判理論」としてではなく「フランクフルト学派」として記憶されたことが本書の大きな出発点になっている。社会をトータルに対象化し、新たな解放の思想を提示する「批判」という手法は、自家中毒をおこして(否定弁証法)、解体してしまったのではないかという問題意識である。 フランクフルト学派から批判理論へ――。こ
丸山眞男が畏れた兄は何者だったのか? NHKきっての「大奇人」の生涯 丸山眞男が畏れた兄とは? 「日曜娯楽版」や「のど自慢」をはじめ現代の娯楽番組の基礎を創ったNHKきっての「大奇人」の生涯。 「『のど自慢』に出たがる大衆を、歌の上手下手にかかわらずラジオに登場させる。人間の勘違いや気取り、しょい込みなどがそのまま表現され、それを見る人はなんともいえない気恥ずかしさと滑稽さを感じる。そして鐘が鳴る。そこには放送局の下手な演出がない。つまり戦前の鐵雄が忌み嫌った「指導性」が存在していない。大衆が見たがるものを提供しているのは、大衆自身である。ここに「大衆性」に依拠した鐵雄の番組論のひとつの帰結があった。」 本書より >立ち読み 総合バラエティはこうして生まれた メディア論の新たな読み! 戦後を代表する知識人である丸山眞男に兄がいたことはあまり知られていない。その兄鐵雄(てつお)は、長谷川如是
文学史を裏事情からよみとく 名作誕生の裏には出版人あり 名作誕生の裏には編集者・出版者・書店あり。手練手管、権謀術策、偶然と必然──作家たちとわたりあった6人の出版人の奮闘物語。 「ひとりの作家、ひとりの文学者は、たいていの場合、男とは言えないね。そいつは金を払って手に入れる女で、他の男にもいつでも身を任せるってことを肝に銘じておかなければならん。つまり娼婦だよ。」 ——ガストン・ガリマール(書店主、1881-1975年) 「〔…〕出版者たちが作家たち以上に時代と格闘していたのは確かである。彼らは刻々と変化してするりと指先を逃れ去っていく「いま」を掴まえ続けなければならない。自分の読者は五十年後に現れるだろう、などとうそぶくのは作家の勝手だが、書店のほうは半世紀も在庫を抱えているわけにはいかないのだ。」――「プロローグ」より 名作誕生の裏に編集者・出版者・書店あり 19世紀フランスには多く
去る7月30日で1912年の大正改元から満百年を迎えるとともに、今年も関東大震災が起こった9月1日が近づいてまいりました。日々の生活では、徐々にお盆の雰囲気が高まり、「東京音頭」や「炭坑節」の擦り切れた音色が生暖かい風にのって週末の部屋に届きます。さまざまな慰霊行為によって、時間や歴史への感覚が先鋭化するのがこの時期の特徴かもしれません。 さて小社では、9月1日を迎えるに当たって、『大正大震災──忘却された断層』(白水社、2012年)の著者である尾原宏之さんが大正時代に造詣の深い御三方にお話をうかがい、大正百年と関東大震災について考えるインタビュー読み物を配信いたします。 世間的にはフランスのイメージが強い小社ですが、関東大震災とは無縁ではありません。1915年に創業してようやく社業が軌道に乗り始めた矢先、震災が襲いました。 『白水社80年のあゆみ』(1995年刊行)をみると、それま
【目次】 苅部直さん(東大教授・日本政治思想史)「知識人がみた大正大震災」(全3回配信) │「大正」への眼差し│個人を超えた「力」の発見│「メディア知識人」という存在│ │百年後の群衆と反原発デモ│震災と大衆社会│国民性をめぐって│「心」への傾斜│ 絓(すが)秀実さん(近畿大教授・文藝評論家)「大正アナキストと現代」(全3回配信) │「大逆」から始まる「大正」│天皇制論の不在│アナ・ボル論争の再評価│ │大正アナキズムとポストモダニズム│世界資本主義の問題としての原発問題│ニューエイジと終末の皮膚化│ 筒井清忠さん(帝京大教授・社会学) 「大正・昭和・平成」(全2回配信) │選挙雑感──「第三極」が問い掛けるもの│政党政治の本質│ ポピュリズムの淵源│躓きの石──中国と軍部│ 尾原宏之さん「十五分で読む大正百年」(「人文会ニュース」113号より転載) │控え目な声に
哲学者ジャック・デリダの全貌をとらえた、初めてにして決定版の伝記! 家族や友人ら関係者たちへのインタビュー、手書き書簡、未公開写真……膨大な資料とともに彼の生涯と思想をリーダブルに物語る。
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