タグ

ブックマーク / econ101.jp (74)

  • マーク・ソーマ 「リバタリアンの面々がマルクスを読むべき理由」(2017年6月28日)

    ●Mark Thoma, “Why Libertarians Should Read Marx”(Economist’s View, June 28, 2017) クリス・ディロー(Chris Dillow)のブログ記事より。 “Why libertarians should read Marx” by Stumbling and Mumbling: 「わざわざマルクスを読む気になんてなれない」と語るのは、クリスティアン・ニーミエッツ(Kristian Niemietz)。そんな彼を説き伏せてみようと思うが、果たしてうまくいくかどうか。 題に入る前に指摘しておくべきことがある。それは何かというと、ニーミエッツも含めたリバタリアンの面々は、マルクスの意外な面を知って驚かされることが多いに違いないということだ。例えば、マルクスは計画経済について驚くほどわずかしか語っていない。計画経済を是とす

    マーク・ソーマ 「リバタリアンの面々がマルクスを読むべき理由」(2017年6月28日)
  • ジョセフ・ヒース「『批判的』研究の問題」(2018年1月26日)

    [Joseph Heath, “The problem with “critical” studies,” In Due Course, January 26, 2018] 学部生だった頃,こんな風に思っていた――《「客観的」「価値自由」なやり方で社会現象を研究する実証主義が社会科学で蔓延しているのは世界の災厄だ.そんなものは幻想だ,というか有害な幻想だ.だって,客観性をよそおいつつ,その裏には隠れた目標があるんだから.つまり,支配しようという利害関心をもってるんだ.人々を主体ではなく研究の対象として扱うなんて政治的に中立じゃない,だってそうやってうみだされる知識ってのは,どういうわけかうまいぐあいに,まさに人々を操作し管理するために必要とされるたぐいの知識になってるもの.つまり,「客観的な」社会科学はちっとも価値自由なんかじゃない,むしろ抑圧の道具になってるじゃないか.》 これに替わる選

    ジョセフ・ヒース「『批判的』研究の問題」(2018年1月26日)
  • ジョセフ・ヒース『反リベラリズムの解剖学』(2017年02月19日)

    The anatomy of anti-liberalism Posted by Joseph Heath on February 19, 2017 | Canada, multiculturalism 金曜日(17日)、カナダ市民は、醜悪な見世物に直面させられた。トロントにあるモスクのすぐ外で、ムスリム系移民の停止と、カナダにおけるイスラム教の禁止を訴える抗議活動が行われたのだ。報道によると、抗議活動の参加者は、総計でわずか15人だったようだ。なので、わざわざ騒ぎ立てることではない。しかしながら、この件が、103号動議 [1] … Continue reading に関してウソを付き続けている、あるいは馬鹿騒ぎを続けている、カナダ保守党の構成員全員に、自制を促す事にはなるべきだろう。 この件にこれ以上言及する必要は感じないが、CBCラジオによる、抗議活動の参加者の1人である、女性へのイン

    ジョセフ・ヒース『反リベラリズムの解剖学』(2017年02月19日)
  • スコット・サムナー「炭鉱の雇用を奪ったのはオートメーションであって貿易ではない」

    [Scott Sumner, “Coal jobs were lost to automation, not trade,” TheMoneyIllusion, December 21, 2016] dwb というコメンターがこんなコメントを残している: 炭鉱の雇用をつぶした「技術変化」は安い天然ガスと電力需要の低迷とオバマによる化石燃料撲滅キャンペーンの 1-2-3 パンチだよ この人は,少なくとも貿易を悪者にはしていない.それでも,基的にはまちがってる――ごく最近まで,石炭の雇用を奪っていたのはオートメーションだ.石炭産業の雇用はこうなってる: 実は見かけよりなおわるい.1973年にオフィスでの雇用が加えられたおかげで,データで人為的な急増が生じているからだ.実際の炭鉱夫たちを数えたなら,雇用喪失はグラフよりはるかにひどいものになる.ただ,このグラフですら,87万人から約11万人へと

    スコット・サムナー「炭鉱の雇用を奪ったのはオートメーションであって貿易ではない」
  • ノア・スミス「数学の天才における性別格差の崩壊」

    [Noah Smith, “The collapsing math genius gender gap,” Noahpinion, November 2, 2016] Allison Schrager, Andy McAfee その他経由のネタ.SATスコア上位層の性別格差のグラフだ: 【7年生の数学SATスコアにおける男女比率】 見てのとおり,比率はぜんぶの水準で下向きに推移しているけれど,とくに最上位 0.01% の層(正規分布を想定すると総合スコア分布のだいたい 3.7標準偏差)では,かなり劇的な格差縮小が起きている.ロナルド・レーガンが大統領になった頃,女子は成績最優秀者の 7% しか占めていなかった.でも,ビル・クリントンが就任する頃には,20% になっていた.オバマ再選の頃には,29% だった. カギとなる情報は,現在の性別格差じゃなくて,最近の変化率だ.この種の急速な変化が起

    ノア・スミス「数学の天才における性別格差の崩壊」
  • ノア・スミス「社会科学は客観的な知識をもたらせる?」

    [Noah Smith, “Can social science yield objective knowledge?” Noahpinion, June 1, 2016] サヨクちっくな* 社会科学の友だちとかなり長いことメールで議論してる.お題は,「社会科学は世界について客観的な知識をもたらせるのか?」だ.どうやら,サヨクちっくな* 社会科学と人文学の界隈では,「人間の研究はその性質からして主観的な企てであって物理学や科学や生物学 etc. がもたらすような知識はけっしてもたらさない」って考えが受け入れられてるらしい. これを支持する論証は質的に3つある.大幅にパラフレーズしてまとめよう: 1) 社会科学には政策への含意がある.このため,イデオロギーによるバイアスがいつも混入してしまい,研究者の方法選択にも結論の解釈にも影響が及ぶ. 2) 社会的現象はきわめて複雑で,そのため,自然現

    ノア・スミス「社会科学は客観的な知識をもたらせる?」
  • アレックス・タバロック「アルゴリズムにゆだねよう:Twitterフィードについて」

    [Alex Tabarrok, “Defer to the Algorith,” Marginal Revolution, February 6, 2016.] BuzzFeed のニュース記事で,Twitter がまもなく時系列フィードをやめてアルゴリズムによるフィードに切り替えると予想している.アルゴリズム型フィードでは,ツイートにランクをつけて個別ユーザーの好みそうなツイートを優先して表示する.当然の成り行きで,Twitter はこれでもう「ツイッターはおしまいだ」という怒りの声であふれかえった. ぼくもマーク・アンドレセン風味のスタイルでじぶんの考えをツイートしておいた: Self-driving cars will be great and save lives! Twitter algorithm will ruin twitter and be a disaster! #Al

    アレックス・タバロック「アルゴリズムにゆだねよう:Twitterフィードについて」
  • タイラー・コーエン「テレパスっぽくなる方法」

    [Tyler Cowen, “How to seem telepathic,” Marginal Revolution, January 20, 2016.] もしかしたら,これはブログを1年通して読んでえられるいちばん有益なことの1つかもしれない.Maria Konnikova の新著 Confidence Game(『瞞し瞞され:詐欺の心理,毎度まんまと引っかかる理由』)の一節から: 2010年に,ベン=グリオン大学のニコラス・エプリーとタル・エヤルが一連の実験結果を公表した.実験の目的は,対人・知覚知覚スキルを改善することだ.論文の題名は:「テレパスらしく振る舞う方法」(How to Seem Telepathic).エプリーとエヤルの発見によれば,私たちがみずからを分析する方法と他人を分析する方法に基的なくいちがいがあることから,我々がおかす錯誤の多くが生じているという.自己分

    タイラー・コーエン「テレパスっぽくなる方法」
  • アレックス・タバロック「シリア難民・ジェリービーン・殺人犯」

    (“Syrian Refugees, Jelly Beans, and Murderers,” Marginal Revolution, November 19, 2015) シリア難民をジェリービーンになぞらえるミームが出回ってる: 《誰かがジェリービーン 50,000個入りの袋をもってきて,このうち 100個は毒入りだよと言われて,「はいそうですか」ともらうやつなんかいるか? だったら,何人かろくでもないのが混じってるというのに50,000人の難民を受け入れたりするかね?》 ジェリービーンも数字もぼくの好物だ.そこで,ちょっとチラシの裏で計算してみた.アメリカには,年間およそ 15,000件の殺人事件が起こる.大半の殺人事件では,ひとりしか殺されてない.連続殺人ですら,平均して 2.8 人しか殺されてない [PDF].ってことは,15,000 って数字はおおよそ1年あたりの殺人犯の人数

    アレックス・タバロック「シリア難民・ジェリービーン・殺人犯」
  • タイラー・コーエン 「自己非難に伴う過度の自賛 ~ノーマン・メイラーの場合~」(2007年8月14日)/「『三島の死』と『川端の死』」(2011年10月31日)

    タイラー・コーエン 「自己非難に伴う過度の自賛 ~ノーマン・メイラーの場合~」(2007年8月14日)/「『三島の死』と『川端の死』」(2011年10月31日) ●Tyler Cowen, “Beware self-deprecation”(Marginal Revolution, August 14, 2007) 自己非難には「過度の自賛」が見え隠れすることが時にある。 ノーベル文学賞を受賞できずにいるのはなぜなのか? その理由について、ノーマン・メイラー(Norman Mailer)が自分なりの考えを披露した。 彼なりの答えは、こうだ。これまでノーベル賞を手にする機会に恵まれなかったのは、政治的な理由のためではない。その原因は、1960年に起こった事件にある。懐中ナイフで二番目のを刺してしまったのだ。メイラーは語る。「スウェーデンの方々は大変知的であり、ノーベル賞のことを誇りに思って

    タイラー・コーエン 「自己非難に伴う過度の自賛 ~ノーマン・メイラーの場合~」(2007年8月14日)/「『三島の死』と『川端の死』」(2011年10月31日)
  • アレックス・タバロック「ゲイリー・ベッカー最大の失敗とは?――犯罪抑止をめぐる2つの考え方」

    [Alex Tabarrok ”What Was Gary Becker’s Biggest Mistake?” Marginal Revolution, September 16, 2015.] 計量経済学者の Henri Theil が,こう言ったことがある――「モデルは使うものであって信じるものではない.」 ぼくは合理的行為者モデルを使って限界変化について考えるけれど,ゲイリー・ベッカーはそのモデルを気で信じていた.昔,ベッカーと夕で同席していたとき,ぼくがこう言った.「極端な刑罰はひどい貧困と憎悪につながりかねませんよ.そこから逆効果が生じるかもしれません.」 ベッカーは,どちらの論点も受けいれなかった.ぼくが逆効果の例を挙げるたびに,だったらさらに刑罰が必要だとベッカーは返すばかりだった.だんだん議論が過熱していった.やがて,ジム・ブキャナンとライアン・カプランがテーブルの向

    アレックス・タバロック「ゲイリー・ベッカー最大の失敗とは?――犯罪抑止をめぐる2つの考え方」
  • http://econ101.jp/%E3%82%A2%E3%258

  • マーク・ソーマ 「ピケティの慨嘆 ~ヨーロッパはユーロ圏という名のモンスターを生み出してしまったのです~」(2015年3月10日)

    マーク・ソーマ 「ピケティの慨嘆 ~ヨーロッパはユーロ圏という名のモンスターを生み出してしまったのです~」(2015年3月10日) ●Mark Thoma, “Thomas Piketty on the Euro Zone: ‘We Have Created a Monster’”(Economist’s View, March 10, 2015) トマ・ピケティ(Thomas Piketty)がドイツのシュピーゲル誌のインタビューに応じている。そのほんの一部を以下に引用しておこう。 “Thomas Piketty on the Euro Zone: ‘We Have Created a Monster’”, Interview by Julia Amalia Heyer and Christoph Pauly: シュピーゲル誌: ・・・得体の知れない政治的な手段(impenetrable

    マーク・ソーマ 「ピケティの慨嘆 ~ヨーロッパはユーロ圏という名のモンスターを生み出してしまったのです~」(2015年3月10日)
  • アレックス・タバロック「オタク利他主義はクールになりつつある!」

    [Alex Tabarrok, “Nerd Altruism is Becoming Cool!” Marginal Revolution, May 12, 2015] 経済学者たちがはじめた GiveDirectly〔「直渡し」〕は,発展途上国の貧しい人たちに直接お金をわたす非営利団体だ.ここ数年でものすごい成長を見せ,債権投資家の億万長者にしていまは慈善運動家でもあるビル・グロスは,このモデルに関心を寄せていると公言した: もっと最近では,グロスは GiveDirectly に興味をもつようになったと発言した.GiveDirectly はモバイル決済によってアフリカの極貧層への寄付をつのることを目標にした団体だ. 「大抵のアフリカ人は携帯電話をもっている.にわかに信じがたいがね」とインタビューでグロスは語った.「これがうまくいって,25ドルなり50ドルなりを,ウガンダの誰か,もちろん会

    アレックス・タバロック「オタク利他主義はクールになりつつある!」
  • タイラー・コーエン「音楽ジャンルは有名ミュージシャンの寿命にどう影響するか」

    [Tyler Cowen, “How a genre of music affects life expectancy of famous musicians in that genre,” Marginal Revolution, March 30, 2015] 〔死因は左から事故死,自殺,殺人,心臓関連,癌.〕 赤:死因の全体平均を大幅に上回っている. 青:死因の全体平均を上回っている. 緑:死因の全体平均を大幅に下回っている. 出典は Dianne Theodora Kenny.Ted Gioia 経由.Kenny はこう記している: あらゆるジャンルにわたって,男性ミュージシャンでは事故死(車両事故や過失による薬品過剰摂取を含む)が死因全体の 20 パーセントほどを占めている.だが,ロック・ミュージシャンの事故死はこれよりも高く(24.4%),さらにメタル・ミュージシャンはそれすら

    タイラー・コーエン「音楽ジャンルは有名ミュージシャンの寿命にどう影響するか」
  • アレックス・タバロック「ラップトップPCではなく手書きでノートをとるべき理由」

    (Alex, Tabarrok, “Why you should take notes by hand — not on a laptop,” Marginal Revolution, April 1, 2015) Vox が,ノートを手書きでとった場合とラップトップPCでとった場合を比較した研究を伝えている. 〔3つ行われたうちの〕第一の研究では,学生たちが 15分の TED トークを視聴しながらノートをとり,30分後に同じトークについてテストを受けた.テスト問題には,特定の数字や事実を尋ねる単純なものもある一方でアイディアどうしを比較したり分析したりするよう学生に求める概念的な問題もある. ラップトップPC利用と手書きにわけられた学生たち2グループは,事実に関する質問ではかなり似通った結果を見せた.だが,ラップトップPCユーザーは概念的な問題に関して大幅に劣る結果となった: 問題は,ラ

    アレックス・タバロック「ラップトップPCではなく手書きでノートをとるべき理由」
  • タイラー・コーエン「未来が最初に到来するのはどこの国?」

    (Tyler Cowen, “To which countries does the future come first?” Marginal Revolution, March 16, 2015.) 最近やったいくつかの講演で,未来が最初に到来するのはイスラエルとシンガポールかもしれないと論じた.今日は,いくつか特徴を列挙してイスラエルを考えてみよう: 1. 技術部門が重要で,それもあって,所得格差が非常に大きい.後者についてはポール・クルーグマンのポストを参照. 2. 中の下の階級に属す知的ボヘミアンの層が厚い.彼らの低所得は,現実の生活水準や整然とした生活を反映してはいない.彼らの多くはトーラーをまなび,(選ばれた者に与えられる)年間所得を保障されてこれを受け取っている. 3. 家賃はどうかしているくらい高く,これがすぐに変わることはありそうにない.建築制限があるためだ.一般的にボヘ

    タイラー・コーエン「未来が最初に到来するのはどこの国?」
  • タイラー・コーエン「なぜヨーロッパと日本ではデフレが続いているのか」

    Tyler Cowen “Why is deflation continuing in Europe and Japan?“(Marginal Revolution, January 22, 2015) 次に引用するのは日からのニュースだ。 ブルームバーグ・ニュースが行ったエコノミストへの調査によれば、日銀行が2パーセントのインフレ目標を設定して4年後、物価は依然としてそれに満たない可能性がある。 16個の推計の中央値が示すところでは、消費者物価は2017年3月期の会計年度において平均1.4パーセント上昇し、生鮮品と消費税による押上げを除けばインフレ目標が設定されてから2017年3月期まで2パーセントに達する年はない。黒田東彦総裁が2013年4月にその記録に残る刺激策を表明した際、彼は約2年以内に目標を達成したいと考えていた。 クルーグマンの記事には他の地域のデータ点が載っている。

    タイラー・コーエン「なぜヨーロッパと日本ではデフレが続いているのか」
  • ポール・クルーグマン「ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる」

    Paul Krugman, “Vladimir Putin’s Unraveling Russia,” Krugman & Co., December 26, 2014. [“Putin on the Fritz,” December 15, 2014; “Petrothoughts,” December 14, 2014] ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる by ポール・クルーグマン TOM/The New York Times Syndicate いかに迅速かつ疑問の余地なしにロシア経済の歯車が狂ってきたか,目を見張るものがあるね.石油価格急落が大きな原動力になってるのは一目瞭然だ.だけど,ルーブルの下落はブレント石油の下落より進んでいる――今年はじめから石油は 40 パーセント下落しているのに対し,ルーブルは半値になってる. なにが起こってるんだろう? えっとね,ウ

    ポール・クルーグマン「ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる」
  • ポール・クルーグマン「芸人としての経済学者」

    Paul Krugman, “Economists as Entertainers,” Krugman & Co., December 26, 2014. [“The Oz Effect,” The Consciece of a Liberal, December 20, 2014.] 芸人としての経済学者 by ポール・クルーグマン Christopher Gregory/The New York Times Syndicate イギリスの研究者たちによると,ドクター・オズが語っている健康アドバイスの半分以上は,根拠レス(主張を支える根拠がない)か,間違っている(根拠は彼の言い分と矛盾している)んだそうだ.Vox のジュリア・ベルズが言うには,意外でもなんでもないとのこと:「なにより,オズは娯楽産業の人間だ」と彼女は書いている(リンク). でも,今回の要点はそこじゃない.要点は,娯楽産業

    ポール・クルーグマン「芸人としての経済学者」