鳥賀陽氏は1963年生まれとありますから49歳ですか、まだ若いです。京都大学を出て朝日新聞に長く勤めたあと、現在フリーのジャーナリストになっています。この本執筆の為、精力的に福島被災地のルポを行っていますから、相当被爆されたと思います。線量計を持参しての事ですから、毎時何ミリシーベルトと記載されたページから分かります。内部被ばくからがん発生まで20年と言われていますが、それを承知の上の事なのでしょう。目的は「原発災害によって住民が受けた被害を、住民の視点から報告し、記録すること」とありました。非常に多く発生した原発難民の声をじかに聞いて記録に留める、これが鳥賀陽氏の使命感でした。これまで出されていたこうした類の本については、実際原発で働いていた人が書いたものが散見される程度でした。 ちなみに鳥賀陽氏は3・11の時記者として東京に居た時、「死が視野の片隅に入ったときに感じる本能的な恐怖」を抱