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ブックマーク / ima-inat.hatenadiary.org (5)

  • '13読書日記28冊目 『法の究極に在るもの』尾高朝雄 - Hello, How Low?

    法の窮極に在るもの 作者: 尾高朝雄出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 1956/03メディア: 単行この商品を含むブログ (1件) を見る285p 昭和二十一年初版、昭和三十年新版。安藤馨さんの功利主義に取り上げられていたのを見て、このを読もうと思った。法の究極に在るもの。この表現だけで、分かる人には分かるだろうが、構成的権力(憲法制定権力)の問題、あるいは例外状況における主権の問題が論じられている。法を生み出すあるいは規制するのは理念である。しかしその理念は人間を動かし、法に結実させるような力を持った現実から離れては、法を生み出すことはできない。となれば、法の究極に在るものはこの現実、つまり政治である。自然法と実体法の関係を見たあと、法秩序そのものを作り出す力である憲法制定権力、さらには法秩序そのものを停止させる力としての革命権と国家緊急権(例外状況における主権の決断)の問題に踏

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  • ジジェク「パリ襲撃のあとでこそ左翼は自らの根源的な西洋的出自を受け容れなければならない」 - Hello, How Low?

    スラヴォイ・ジジェクの2015年11月16日の論説(抄訳です)。 http://inthesetimes.com/article/18605/breaking-the-taboos-in-the-wake-of-paris-attacks-the-left-must-embrace-its 2015年前半には、ヨーロッパはラディカルな解放運動(シィリザとポデモス)に熱中していたが、後半には注目は難民という「人道的な」トピックに移った。階級闘争は文字通り後退し、文化リベラル的な寛容と連帯というトピックに取って代わられた。11月13日金曜日、パリでテロによる殺戮が起きると、このトピック(いまだ巨大な社会経済的問題と関係している)でさえ今や、テロの脅威との容赦なき戦いに没頭する民主主義的勢力の単純な反対にあって、勢いを削がれている。 次に起きるのが何かを想像するのは容易い。難民のなかにいるはずの

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  • 中道体制の崩壊(シャンタル・ムフのインタビュー) - Hello, How Low?

    オーストリアの新聞でのインタビュー(http://derstandard.at/2000015524661/Das-System-der-Mitte-kollabiert)。 政治学者シャンタル・ムフ「右派ポピュリストが成功したのは、保守政治と社会民主主義政治が融合したからだ」 インタビュアー(イ):中道右派政党と中道左派政党の区別がなくなることを警告されていますね。 ムフ:私はそれをポスト政治的状況と呼んでいます。今日のヨーロッパ社会で優勢なものです。 イ:いつからそれは優勢になったのですか。 ムフ:この傾向は、イギリスでニュー・レイバーによって始められました。理論は社会学者のアンソニー・ギデンズから出てきました。そしてトニー・ブレアがそれを作り替えたのです。考え方は、共産主義の崩壊のあと、対抗勢力はもはやいなくなり、リベラルな資主義のオルタナティブもなくなった、というものです。 イ:

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  • 09読書日記23冊目 『マキァヴェリアン・モーメント』J.G.A.ポーコック - Hello, How Low?

    マキァヴェリアン・モーメント―フィレンツェの政治思想と大西洋圏の共和主義の伝統 作者: ジョン・G.A.ポーコック,John G.A. Pocock,田中秀夫,奥田敬,森岡邦泰出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2008/01/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 41回この商品を含むブログ (30件) を見るようやく懸案のポーコック『マキァヴェリアン・モーメント』を通読できた。二段組の当に読むのが疲れる。通読しただけなので、これから一章ごとに再読していく。 『現代によみがえる共和主義思想』とは田中秀夫が社会思想史研究(2008)で寄稿している論文の題名であるが、その共和主義思想を英米政治学の潮流に位置づけたのがポーコック、スキナーらのケンブリッジ学派である。スキナーとポーコックの共和主義理解には差異がある(スキナーはポーコックほどcivic humanismとい

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  • '12読書日記57冊目 『カント 第三の思考―法廷モデルと無限判断』石川文康 - Hello, How Low?

    カント 第三の思考―法廷モデルと無限判断 作者: 石川文康出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 1996/11メディア: 単行この商品を含むブログを見る314p 総計15678p 書は最近読んだの中でももっともスリリングだったものの一つ。テーマは、カントの判断表の中の質の項目に現れる「無限判断」である。カントによれば、判断の形式は量・質・関係・様相の4項目に分けることができ、さらにそれぞれが3つに分類されうる。「Aは非Bである」という形式を持つ無限判断は、この質の項目の中の一つである。ところが、『純粋理性批判』を読んだことのある人ならわかるように、カントのこの部分の説明は極めてわかりにくい。質の項目の残り2つは、肯定判断「AはBである」、否定判断「AはBでない」なのだが、この後者の否定判断と無限判断がどう違うのか、カントの説明では全くわからないのだ。曰く、無限判断は実は「Aは

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