新刊無料公開『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』 その6 「第二章 カツレツの登場と普及」(冒頭部分) (無料公開の先頭はこちらから→) 新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中です。 1.『西洋料理指南』の豕(ブタ)ノ油煮明治5年に出版された『西洋料理指南 下』(敬学堂主人)の「小犢ノ油煮」。 『西洋料理指南 下』 敬学堂主人 (国会図書館蔵)右下に半円形の骨付き肉の挿絵がある。この肉の形が非常に重要(著者がわざわざ挿絵を入れた理由も、この形が重要であるため)なので、記憶しておいていただきたい。 小犢ノ油煮は、この骨付き肉の骨を取り、小麦粉、卵黄、パン粉の衣をつけて牛脂で揚げた料理。現在の日本で言うところの仔牛のカツレツである。そして同様の料理に、「羊ノ油煮」と「豕(ブタ)ノ油煮」がある。 つまりこの「豕(ブタ)ノ油煮」こそが、ポークカツレツの資料上の初出である。 さて、現