2007年に65歳以上の高齢者人口が21%を超え、「超高齢社会」となった日本。内閣府の推計によると、2030年には高齢者の割合が30%を超えると予測されている。 高齢化社会による影響の一つとして、歩行補助杖を使用する人の増加も考えられる。そうした中、静岡大学応用ロボットシステム研究室(伊藤研究室)は、既存の杖よりも安定性に優れたロボット歩行補助杖の開発を進めており、東京ビッグサイトで開催された「Japan Robot Week 2016」において、そのロボット杖の展示を行った。 一般的に普及している一本杖は、接地位置や荷重方向によってはバランスを崩し転倒してしまう恐れがある。それに対し多脚杖(多点杖)は整地では一本杖より接地性が向上し安定するものの、段差のある場所や不整地では一本杖以上に不安定になるという欠点があった。 今回、同研究室が展示したロボット杖は、基本構造は多脚杖に近い形だが、支