物理学者製造装置 私がはじめてこの本を手にしたのは、たしか小学6年生のときだったと思う。ニューヨークの現地校から東京の小学校に転校してきて、漢字が読めずに不登校になりかけていた。 熱が出た(あるいはお腹が痛い)とウソをついて学校を休んだ日は、暇にまかせ、英語の本を読みあさっていた。 自分が所有する子ども向けの本は何度も読んでしまい、父親の書斎の本棚をながめていて、たまたま古びた表紙の本を手に取り読み始めた。それが英語版『フラットランド』だったのだ。 この本は、現実世界に適応できずに苦しんでいた私にとって、数学的な空想世界への「不思議な旅」となった。それで不登校が解消されたわけではなかったが、ある意味、私にとっての救いの書でもあったのだ。 この本を読んでから、私は「次元」について興味が出始め、アインシュタインの4次元世界、すなわち相対性理論を真剣に学びたいと思うようになった。 そして、気がつ
![不登校だった私を「多次元宇宙論博士」へと導いたSF冒険物語(竹内 薫)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e6bd8b27dc0a0efed47e5ae74fe091f91b7082b6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F7%2F1200m%2Fimg_57c8fb56c6b2ee7e159b71acbdbfd371671568.jpg)