数学は役に立たず,数学者は現実を知らない――そのような風評を打ち破るべく,6人の数学者が異分野で未解明だった現象の解明に乗り込む.冒頭で内田麻理香氏がそれぞれの意気込みや秘策,アイデアの源泉を聞き出す対談も興味深い.渋滞はなぜ発生するのか? 目の錯覚を引き起こす脳のしくみとは? 数学者の挑戦を魅せる快著. ■編者からのメッセージ 数学者というのは一体何をやっているのだろうか? そもそも数学という学問が人を引きつけるとすれば,それは一体なんなのであろうか(この本の最後の章でも同じ問いを立てているのでご覧いただきたい) これを知る1つの手段は,外からゆさぶりをかけて反応を見ることであろう.対話編が本書に含まれているのは,この理由による.対話編のインタビューはサイエンスライターの内田麻理香さんにお願いした.コミュニケーターでもある内田さんにかかると,数学者も正直にぽろっと本音を語ってしまうようで