弁護士 福井健策 皆さん、デジタルアーカイブという言葉をご存じでしょうか。代表例は、ヨーロッパが急ピッチで構築を進める巨大電子図書館「ユーロピアーナ」です。そこでは、過去の膨大な図書・映像・音楽などがデジタル化されて公開され、世界中の人々がネットを通じて自由にアクセスし、作品を楽しめるようになっています。その数、実に3000万点を超えるデジタルコンテンツたちです。少し見てみましょう。 たとえば、シェイクスピアという単語を入力すれば、彼の戯曲や舞台上演の映像など約3万点がヒットします。その多くは、無償で楽しめます。時代順や言語別といった絞り込みもできます。更に多くの作品には、我々が文章を転載したり映像を上映するなど、どの範囲なら自由に利用して良いかの条件も記載されています。つまり作品や資料を我々が再活用できるようにしているのですね。 こうした過去の作品のほとんどは書店など市場ではもう入