神輿(みこし)をぶつけ合う。豪華絢爛(けんらん)な7台の屋台が練る。太鼓の音色と威勢のいい播州弁が漁師町に響く。 10月14、15の両日で十数万人を集める松原八幡神社(兵庫県姫路市)の「灘のけんか祭り」。運営を担う旧灘七ケ村の一つで、今年の「年番」を務める妻鹿(めが)地区の総代篠原大典(だいすけ)さん(77)は「全ての予定が祭りを中心に回っている」と笑うが、決して誇張ではない。 郷土意識が強いとされる播磨。当の「播州人(ばんしゅうじん)」には、祭りよりも身近に感じるものがあるらしい。神戸新聞社は昨年12月、播磨出身、在住の335人にアンケートをした。「どんなときに播州人と感じるか」の設問で、「祭り」の46人を大きく上回ったのが、164人の「言葉遣い」だった。 □ □ 播州弁は短く、濁音が目立つ。「ゴウワク(腹が立つ)」に「ダボ(あほ)」、語尾の「ドイヤ」「ガイヤ」「ケー」…。波音に負けな