国宝で藤原道長の自筆日記「御堂関白記」など、五摂家筆頭の近衛家が伝えてきた宝物を収蔵する公益財団法人陽明文庫(京都市右京区)は11月10日、京都市左京区の京都府立京都学・歴彩館で設立80年記念講座を開く。 陽明文庫は29代当主・文麿が仁和寺近くに設立した。所蔵品は歴史的、美術的に重要な史料、古文書、典籍など。近年は東京大史料編纂(さん)所による高細密デジタル画像化が進み、専門家の活用に加えて2017年からは歴彩館での一般向け閲覧も始まっている。 当日は午後1時から、九州国立博物館館長で同文庫理事の島谷弘幸氏が「近衛家伝来の書と家凞(いえひろ)」と題し、さまざまな芸能に秀でた第21代当主について講演。また、京都大の吉川真司教授が「藤原道長と平安貴族社会」の演題で話す。 続いて、文庫設立からデジタル画像公開までを語り合う。登壇者は島谷、吉川両氏と名和修文庫長、金田章裕・歴彩館館長、尾上陽介・東